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ガソリンが高くなれば、人々の情報リテラシーが向上する

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まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」のようなタイトルですが。New York Times の記事で、ガソリン代に家計を圧迫されるの避けるために、より多くの人々がオンラインストアを利用するようになっていることが紹介されています:

To Save Gas, Shoppers Stay Home and Click (New York Times)

内容は特に意外なものではありません。石油価格の高騰でクルマの使用を控える人が増え、それに比例して各種オンラインストアの利用者が増えている(買ったものを自宅まで配送してくれるので)、という話。先日も「石油価格の高騰で『バーチャル遠足』が人気になっている」というエントリを書きましたが、それと同じ構図。恐らく遠足やショッピングだけでなく、他にも様々な活動(出張とか?)が「オンライン化」しているのでしょうね。

面白いのは、記事で登場するある女優さんのコメント。ロサンゼルスに旦那さんと一緒にお住まいで、ガソリン以外のあらゆるものをオンラインで買うようになったそうなのですが、

“I’m a computer illiterate person,” she said. “But I’m becoming much more literate as a result of gas prices.”

「私はコンピュータに疎い人間です」と彼女は言った。「けどガソリンの値段のせいで、以前よりずっと詳しくなっています。」

とのこと。家計を守るために、否が応でもコンピュータ/ネットに詳しくないと、ということなのでしょうね。

日本でも最近の石油価格高騰で、「オンラインで買えばガソリン代が浮きますよ」と宣伝しているオンラインストアを見かけますから、この女優さんのような方が増えていると思います。結果、これまでコンピュータやネットなどに関心の無かった人々まで、積極的にそれらを活用するようになる可能性があるのではないでしょうか。「風が吹けば桶屋が儲かる」よりはあり得そうなシナリオですから、オンラインストアのターゲット顧客にも変化が生じてくるかもしれません(近所のスーパーで、中高齢の主婦層をターゲットにPC/ネット教室が開かれたり、必要な設定がプリインストールされているPCが販売されたりして)。

とはいえ、仮に人々の情報リテラシーが高まったとしても、ガソリン価格高騰が生活に与える悪影響を相殺するものではないでしょう。はやく価格が安定して欲しいものですが。

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