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石油高騰で「バーチャル遠足」が流行?

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相変わらずの石油高騰。1リットル200円台に突入する可能性もあるとかで、最近は漁に出るのを中止するなんてケースが出てきていますが、海外では学校の遠足まで中止に追い込まれているそうです。で、その代替として注目を集めているのが「バーチャル遠足」なんだとか:

Gas prices fuel rise in virtual field trips (eSchool News)

ビデオ会議ソフトやウェブブラウザ、また Google Earth などの各種ツール/サービスを活用して行う「バーチャル遠足(virtual field trip)」について。その「行き先」は美術館・国立公園など多岐に渡り、バーチャルならではの特性を活かして、海外の人々と交流する例もあるそうです。また海外の公共施設や景勝地では、「バーチャル遠足」専用のコーナーを用意しているところも多いとのこと(遠足に限らず、バーチャルツアーを提供しているサイトは度々目にしますよね)。

面白いのは、Tramline という会社から提供されている TourMaker という有料のソフト(ちなみに1本25ドル)。これはバーチャル遠足をオーガナイズするためのツールで、複数のウェブサイトをまとめてツアーに仕立て、好きな説明文等を付け加えて生徒に見せることができる、というものだそうです。こうした環境が整いつつあるのが原因か、もしくはニーズが環境を整えつつあるのかは分かりませんが、バーチャル遠足の人気は高まってきているそうです。ある関連サイトでは、利用率が昨年に比べ50%も上昇しているのだとか。

もちろん全ての遠足(リアル遠足)をバーチャルなものに置き換えることはできないでしょう。別にバーチャルを否定するわけではありませんが、実際に肌で触れた方が良く分かるものも多いでしょうしね。しかしガソリンの価格が上がったので遠足中止、で終わってしまっては生徒達が可哀想です。代替としてバーチャル遠足を開催するのは有意義でしょうし、前述のように「いっそバーチャルにするなら、外国の人々と交流しよう!」といった利点を活かす方向で実施できればさらに良いかもしれません。

さらにバーチャル遠足を効果的にするなら、TourMaker のようなソフトを利用して「引率」するのではなく、生徒自身にツアーを考えさせてしまっても良いのではないでしょうか。ウェブブラウザはもとより Google Maps/Earth や Skype 等、使えそうなツールのインストラクションだけを与え、あとはどんなツアーを組んでも自由。ただしツアーから帰ってきたら他の生徒達の前で発表する、という風にしておけばOKでしょう。さらに他校と実施時間を合わせておき、他校の生徒と「バーチャル・グループ」を形成して遠足に出ても良い……というのはどうでしょうか。社会見学という意味に加え、情報リテラシーやコラボレーションの訓練にもなったりして。

まぁそこまで行くのはちょっと早いかもしれませんが、石油高騰の影響でバーチャル遠足のノウハウが確立されれば、不幸中の幸い(?)となるかもしれません。

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