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イタリア政府、食品価格情報を携帯電話に配信

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食料の価格高騰は日本だけの話ではなく、世界中の国々で深刻な問題になりつつあります。そんな中、イタリア政府が携帯電話を活用し、食品価格の情報提供を行っているとのこと:

Italian government sends food prices by SMS (Springwise)

イタリアの農水省にあたる Department for Agriculture, Food & Forestry が、肉や野菜など80品目を超える食品の価格情報を SMS で発信している、という内容。目的は価格の透明性を保ち、いわゆる「便乗値上げ」が行われるのを防ぐこと。しかも携帯電話への情報配信であれば、買い物するために出かけた先で確認できる上に、より多くの人々の手に情報を届けることができるわけですね(ちなみにこちらの記事によれば、イタリアの携帯電話普及率は100%を超えているとのこと)。

公式サイトへのリンクはこちら。イタリア語が堪能な方はどうぞ:

SMS Consumatori

smsconsumatori

上にあるのはスクリーンショットなのですが、流石は(?)イタリア。政府のサイトとは思えない可愛らしさです。使い方も簡単で、指定されたアドレスに対して、価格を知りたい品目を書き込んで送ればOK。システムが書き込まれた内容を把握し、すぐに指定された品目の卸値+平均小売価格(北部・中部・南部の3地方別)を送り返してくれるとのこと。また品種によって違いがある場合(例えば果物の場合、庶民向けと高級ブランドでは大きな差がありますよね)、品種毎に別のメッセージで情報を送ってくれるそうです。

サービスは無料で利用できるのですが、コストを抑えるために、一人のユーザーが行えるリクエストは1日5回/1ヶ月で30回までに制限されています。しかしこれだけ手軽に、しかも政府が調べた信頼あるデータが入手できるのであれば便利ですよね。さらにウェブサイトでは価格の推移がグラフで示されていたりと、かなり手の込んだ作りになっています(例えばタマゴ1パック/6個入りの価格はこちら)。いやぁ、イタリア政府にはぜひ頑張ってもらって、日本も対象エリアに含めて欲しいところ(笑)。

冗談はともあれ、人々が欲しい情報を、欲しいと思ったときに、手に入れやすい形で提供する。そんな当たり前のことを、政府が実現しているという点に感心しました。ところで某国では地デジチューナーを生活保護世帯に現物支給するそうですが、「生活に必要な情報を提供する」のが目的であれば、イタリア政府のような方法もあると学んでくれるといいのにね。

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