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ルールを作って、壊せる人

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ライフハックや、ハウツーものに類ずる情報が依然として人気を集めています。「ブログのアクセスを集めるための10の方法」「新入社員が守るべき5つのルール」「第一印象を良くする3つのヒント」などなど……個人的にもそういった情報は好きで、よく参考にしています。「そういった釣りのような記事を書くのはいかがなものか」「安易にハウツーに頼るのは思考停止を招く」といった批判もありますが、長所・短所があるのはどんなモノにも共通する話。要は使い方でしょう。

ただ最近は、ルールを活用するだけでなく、それを壊すことができるようにならないといけないなぁと感じています。例えば何らかの分野において(投資、ギャンブル、SEO対策など何でもかまいません)とっておきの秘策があるとしましょう。それをあなたは偶然見つけ、もしくは先輩からコッソリと教えてもらい、目覚ましい成績を残していました。ところが知らない間に、その秘策は徐々に他の人々の知るところに。以前に比べて少ない効果しか上げなくなっているのに、他のやり方を知らない、もしくは他の方法でチャレンジすることが怖いあなたは、いまや時代遅れとなった「秘策」と心中しかけていた……

……などという極端なところまで行かなくても、よくできたライフハック/ハウツーであればあるほど、それに依存してしまいがちなのではないでしょうか。もちろん、それで効果が出ているうちはフル活用していて構いません。しかしこの世の中に変化しないものなどないのですから、1つの方法を固持するということは、すなわち時代遅れへと突き進むということに他なりません(そのスピードに差はあれど)。

そう考えると、ライフハックやハウツーものは「知る」「学ぶ」という段階だけではいけないのはもちろんのこと、「実行する」の段階に達するのでも不十分で、「応用する」「発展する」さらには「壊す」まで達して初めて活用したと言えるのではないでしょうか。そんなわけで、最近は「ルールを作って、壊せる人」を目指さなければいけないなぁと感じています。

以前読んだ本に「あるモノが捨てられずに残り続けるのを防ぐために、そのモノを捨てる条件をあらかじめ決めておこう」というライフハック(笑)が書かれていました。確かに何かを「捨てる」タイミングを決めるというのは非常に難しい行為ですが、こうしてあらかじめ条件を定めておけば、「長年これを使ってきた」という情や、「もっと良いモノは見つからないかもしれない」という不安で判断を誤ることが防げます。ルールを作る際にも、そういったアポトーシスとでも呼ぶべき仕組みを同時に組み入れておいた方が良いのかもしれませんね。

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