「ポジティブなサプライズ」
サッカーの前日本代表監督、イビチャ・オシム氏が新年のメッセージを発表されたそうです:
■ オシム氏が新年メッセージ=サッカー (時事ドットコム)
メッセージは直筆で書かれたもので、曰く、
サッカーはサプライズ(意外性)のゲームであり、(その点で)人生と似ています。新しい年2008年がポジティブなサプライズの年でありますように、また選手およびサッカーファンの皆さんにとって幸運と健康に恵まれますよう。
とのこと。何よりオシム氏が一命を取り留め、こういったメッセージを書けるようになるまで回復されたことに胸を撫で下ろす思いです(以前、このブログでもこんな記事を書いていたりしたので)。
脳梗塞で突然倒れ、日本代表監督の座を辞することになってしまったのも、オシム氏にとってはサプライズ以外の何物でもなかったでしょう。恐らくそれを踏まえての発言だと思うのですが、「人生は何があるか分からなくて怖い」と言うのではなく「ポジティブなサプライズを願う」と言えるところに、オシム氏の度量の深さを感じます。
昨年、生物学や脳医学の本を読む機会が多かったのですが、読めば読むほど「人間は過去のパターンに依存して生きる存在だ」という気がしてきます。それは当然のことで、ある場面に際して常に一から考えているようでは、とても生活できないわけですよね。しかし過去のパターンにとらわれるあまり、新しい道に踏み出すことを恐れたり、従来の発想に閉じこもろうとする傾向が生まれてしまいます。それでは「サプライズ」は常に悪いもので、避けるべきものとなってしまいかねません。
しかしオシム氏が表現したように、「ポジティブなサプライズ」というものも存在するはずです。普段は手にしないような本や雑誌から、思いもかけない知識やアイデアが得られたり。普段は挨拶程度しかしない人と話してみたら、意外な一面が見られたり。従来の殻を破ってみることは、リスクを伴う反面、新しい価値に気づくチャンスなのではないでしょうか。逆に言えば、リスクを恐れているばかりだと、ポジティブなサプライズに出会う確率はグッと下がってしまうでしょう。
ということで、今年は良い意味でのサプライズにたくさん出会えるように、リスクを恐れず行動してみたいなぁという気分にさせられました。相変わらず安易な性格ですが、2008年が終わるころには「これはポジティブなサプライズだった」と呼べるものがいくつも挙げられるように、頑張ってみたいと思います。