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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

2008年こそ、ネットにも「DS」を

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皆さま、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。2008年が皆さまにとって、素晴らしい一年となることをお祈りし申し上げます。

……さて、「大晦日」という概念がない娘の生活サイクルに合わせている自分にとっては、まだ年が明けたという実感がないのですが。しかも普通に仕事メールを送ったりしていて、普段の土日と同じような正月休みを送っています。違うのは、実家に帰ってきている点ぐらいでしょうか。

昨日、実家でネット接続のセットアップ作業を行いました。実は以前から「うちもインターネットが使えるようにして欲しい」と父に頼まれていて、いろいろと事前の手続きをしてあったのですが、機器のセットアップがまだだったのです。そこで昨日はPC等の設定を行っていたのですが、ふと説明書に描かれているおじいちゃん・おばあちゃんのイラストに目が留まりました。その周りには、こんなセリフが添えられています:

「簡単だわ!」
「楽々ね!」

……いや、全然楽勝じゃないんですけど(笑)。自分のためにセットアップしていたのであれば、こんな部分に目がとまることもなかったでしょう。しかし「これを親父が自分でやっていたら」と思うと、この言葉がどうも白々しいものに思えてきたのでした。説明書を作った方も、恐らく「簡単ではない」ということを分かっているからこそ、こんな言い訳のようなイラストを加えたのでしょう。

デジタルディバイドなどという言葉が登場して久しいですが、依然としてパソコンを使いこなす・ネットに接続するといった行為は難しいままです。ネットはケータイから見る、という人が増えているのも当然でしょう。ケータイ並に楽々使えるように、とまでは言いませんが、今年はもっとユーザーの裾野を広げるような取り組みが必要ではないでしょうか。

ちょうど、『なぜ大人がDSにハマルのか?』を読んだところです。このテーマについては様々なメディアで論じられていますが、これまで推論されていたことがデータから分析されているなど、正確な全体像を把握するのに最適な一冊でした。この本を読んで改めて感じたのは、DSがいかにゲーム初心者・卒業者を取り込むことに成功したかという点です。コアなゲーマーにフォーカスしたあまり、高度化・複雑化の道を歩んでしまった従来のゲーム業界――その姿は、現在のPC/ネット業界にもだぶるものがあるのではないでしょうか。2008年はPC/ネットの世界にも、「DS」的な発想がどんどん生まれて欲しいなと感じています。

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