入れ物が大きいと、増えてしまう
最近、異なる文脈の中で同じ指摘に何度も遭遇しました。「短期間で何度も気づくものには何かある」という金言(?)もあるので、ちょっと書き留めておきたいと思います。
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たとえば、45リットルの容量があったゴミ箱を20リットルにすることで、1日に出るゴミの量を減らした活動。たしかに、捨てる量を制限すればゴミは減る。
(【コラム 片山右京・冒険ドライブ】「子供たちの取り組みから世界が変わる」)
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パーキンソンの法則というものがある。いくつものバリエーションがあるが、私が好きなのは、これである。「仕事の認識の上での複雑さと重要性は、割り当てた時間の長さに比例する」
筆者註:
ウィキペディアには同法則は以下のように紹介されている。
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」(第一法則)
「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」(第二法則)
同法則をこのように理解したほうが、講演者の意図が明確に分かると思う。
(himazu blog 「1週間に4時間しか働かない人の仕事術」)
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Twitterは1回の投稿文字制限が140字と限られています。この制限も重要で、最初から「簡単なことしか書かない」というルールにつながっているように思えます。つまり「現在の日韓情勢とグローバル経済について熱く語る」のは、物理的に不可能なのです。
(江原顕雄 「いまだからこそTwitterの楽しさを知るべきです!」)
以上の3つ。そう、どれも「中身は入れ物のサイズと同じ量になる」ということを言っています。当然と言えば当然なのですが、「中身のサイズに合わせて入れ物を揃えよう」というのが、我々が普通に行っていると思いこんでいること。実際はその逆、つまり「入れ物のサイズいっぱいになるまで(必要以上に)中身を大きくしてしまう」ということが行われてしまっているわけですね。
実は先日、『100文字でわかる 世界のニュース』という本にも出会っていたのですが、これは文字通り100文字で様々なニュースを要約するというもの(見出し的に100文字の文章があって、隣のページに詳細な解説がある)。「100文字なんてあり得ない!」と思われるかもしれませんが、読んでみると想像以上にポイントがつかめることが分かります。子供の頃に「原稿用紙10枚以上の読書感想文を書くこと」などといった宿題を出され続けたために、私たちのアタマは「文章は長くなければいけない」という先入観、「空白を埋めなければ」という脅迫概念があるのかもしれません。
「社内文書ってムダな内容ばかりで困る。もっとみんな要点を説明してくれればいいのに」と困っているようでしたら、社内 Twitter (当然文字数は140字まで)を導入して、コミュニケーションはすべてそちらで行うというのはどうでしょうか?もしくはプレゼン資料も「100文字プレゼンしか認めない」なんてルールにしたら、意外とうまく回ってしまうかもしれません。
<本が増えて困っているんですけど、本棚のサイズを半分にしていいですか?>
……いやいや、そればっかりはご勘弁下さい。