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Asiajin への期待

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サイボウズ・ラボ研究員の秋元裕樹さんと、メロートーン取締役社長の新井俊一さんが「Asiajin」(アジアジン)というサイトを開設されました。日本を始めとしたアジア諸国のネットサービスを発掘し、英語圏に住む人々に紹介するサービスとのこと:

日本のWebサービスを海外へ紹介する英語サイト「Asiajin」,天才プログラマ認定者と人気ブロガーが開設 (ITpro)

ご覧の通り、既にニコニコ動画が紹介されています:

asiajin

ITmedia の読者の方々にはご説明するまでもないですが、日本には優れたネットサービスが多数存在します。ニコニコ動画のように大成功を収めるものもあれば、個人開発のサービスながら根強いファンを持つものもあり、決して海外に比べて見劣りしません。また「ガラパゴス諸島」と揶揄される日本のケータイ業界は、それだけに逆にユニークな固有種(サービス)が数多くあり、海外の先を行っているとも考えられます。しかし日本語という壁が障害となり、英語圏の人々からは知名度が低かったというのが現状ではないでしょうか。

Asiajin はまさしく、そんな障害を下げてくれるサービスではないかと期待しています。例えば個人が開発していたサービスが取り上げられ、いきなり利用者が何倍にも膨れあがる――なんてこともあるかもしれません。なにしろ言語別のインターネット人口では、日本語の約1億人に対して英語が約3.7億人と、3倍以上もの潜在ユーザーが存在しているですから。もちろんサービスの内容にもよりますが、日本人だって「英語はよく分かんないけど、見て使い方を理解してる」って場合も多いですよね。Asiajin で簡単な解説と操作方法の説明を行うだけでも、影響は大きいのではないかと思います。

そしてもう1つの期待は、名前通り「アジアのネットサービス」を発掘する場となることです。英語圏の人々が日本語のサービスを知らないのと同様に、私たちも他のアジア諸国の中で発生したサービスを、「言葉が分からない」というだけで注目していない場合が多いのではないでしょうか。

さらに日本以外のアジア諸国のネットサービスについても同様の発掘と紹介を行なっていく方針で,現在,台湾人ジャーナリストの参加や韓国情報の執筆を調整中という。

とのことですから、私たちにとっても「アジアの優れたネットサービスを知る場」として価値を提供してくれるのではないかと期待しています。

まだまだ始まったばかりのサイトなので、大きなことを言ってしまうのは禁物かもしれませんが、例えば「非英語圏版 TechCrunch」のような存在になっていってくれるといいですね。英語圏のサービスは TechCrunch でチェックして、次に Asiajin でアジア圏の動向を確認する――そこまで成長するのは簡単ではないでしょうが、アジア圏のネットサービスの盛り上げ役として、大きな役割を果たすことを願っています。

< ついでに >

せっかくだから、どこかで「優れた日本語ブログを翻訳し、海外に紹介するサービス」なんて始めて欲しいなぁと思います。ついでに付いたコメントまで翻訳し、英語圏の人々と日本人が交流する場になったりして。どっかでそんな話があれば、翻訳者の一員としてバイトで参加させてくださいー。

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