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学校教科に「ブログ」が加わる日

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「ゆとり教育」なんて言葉が出始めてから、義務教育が迷走を続けているように思うのですが、今度は「言語力」というキーワードが登場しているそうです:

全教科を通じ「言語力」育成 文科省の有識者会議 (asahi.com)

現在、文部科学省で学習指導要領の改定が進められていることはご存知だと思いますが、その柱に「言語力」なるものが置かれているとのこと。「小中高の全教科を通じて、言語力の育成を目指すこと」が求められているのだそうです。

報告書は国際的な学力調査等で日本の子どもの読解力の低下が指摘されているほか、いじめなどの人間関係をめぐる問題もあり、言語力の必要性が高まっていると指摘。次期の学習指導要領では「言葉」を重視すべきだとして、国語や外国語に限らず、全教科で横断的に指導することを求めている。

残念ながらこの報告書が文部科学省のサイトで見つからなかったため(余談ですが同省のサイト、使いづらいです!)、具体的に「言語力」が何を指しているのか分からないのですが、他の記事等を参照すると「自分の考えを文章や言葉で表現する力」のことのようですね。それがどういじめ問題の解決につながるのかは疑問なのですが……。

個人的には、上記の意味での「言語力」を養うには、これはもう実践しかないと思います。文章を書いて、プレゼンして、けなされて凹んでリトライして。実際、具体的な例として「身近な地域の観察・調査などで的確に記述し解釈を加えて報告する」(社会、地理歴史、公民)「観察などで問題意識や見通しをもちながら視点を明確にし、差異点や共通点をとらえて記録・表現する」などという構想があるようですから、実際に自分のアタマを動かす作業が入るのでしょう。しかし、ちょっと心配なのはフィードバックの面。いまの先生の方々を疑問視しているわかではありませんが、多くの生徒達の成果物に対して、一人の先生が適切な指導を行えるでしょうか。

ということで、いっそのこと教科に「ブログ/ポッドキャスト」を加えてしまってみてはいかがでしょうか?単に書きっ放し・言いっ放しでは生徒達もつまらないでしょうし、せっかく作った成果物を授業だけでしか使わないというのももったいない話です。しかも、それこそ世界中の人々からフィードバックがもらえるブログ/ポッドキャストであれば、「言語力」実践の場としてはもってこいのはず。文部科学省の皆さま、ぜひぜひご検討を!

……というのは冗談ですが、意外に学校教科に「ブログ」を加えてみても面白いかもしれません。実際、実験的に始めている学校はあるようですし、独立した教科でなくても「国語」や「情報」の一環で教えてもいいでしょう。数年後には義務教育の生徒全員にブログorブログに準ずるもののアカウントが与えられていたりして。

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