オフィスとSECIモデル
SECIモデルといえばナレッジ・マネジメントの理論として有名ですが、それをオフィスデザインに応用しようという動きがあるそうです:
■ オフィスを“クリエイティブなワークプレイス”に (ケンプラッツ)
記事の中で紹介されている「クリエイティブオフィスレポート」という冊子において、SECIモデルをベースにしたオフィスデザインが提言されているとのこと。例えば以下は、「共同化(Socialization)」を促すデザインの例:
(1)共同化(暗黙知→暗黙知)=刺激しあう
01、ふらふら歩く。<ジグザグの通路>
02、接する。<雑談スペース>
03、見る、見られる、感じあう。<ガラス張りの執務空間>
そういえば今週の日経ビジネスの付録『東京・新ビジネス流儀』に、オフィスとしては珍しいエスカレーター(エレベーターではなく)を導入した Sony City が紹介されていました。エスカレーターの周辺にはリフレッシュやコラボレーションを目的とした「ローカルコア」というスペースを設置し、偶然の出会いから生まれた会話を育むことを狙っている、とのこと。これなども「共同化の効果を持つデザイン」と捉えられるかもしれません:
■ 広いフロアを縦動線でつなげコミュニケーションを促す、Sony City (ケンプラッツ)
上記の記事のように、以前から「コミュニケーションを促すオフィスレイアウト」などといった位置付けで同様の発想があったと思いますが、それをSECIモデルをベースに考えてみるというのは面白いですね。これであれば、「コミュニケーション=偶然の出会い=フリースペース導入!(で終わり!)」という単純な発想に陥ることも避けられるのではないでしょうか。
これからますます、仕事上のコミュニケーションはバーチャル上でということが増えていくと思います。従ってオフィスの役割も変化していくと思いますが、こんな風にリアルでも「知識の流通を促進する」ことを追求している企業は、バーチャル上のコミュニケーションでも強さを発揮するかもしれませんね。