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ネットで危険なのは若者か、それとも……

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ちょうど昨日、お馴染みの米国発SNSサービスである MySpace に関する2つの記事を読みました。話を始める前に、まずは1つ目の記事をご紹介しましょう:

MySpace、性犯罪者2万9000人を削除 (ITmedia News)

「MySpaceが7月24日、性犯罪で有罪判決を受けたことのある会員2万9000人を特定し、削除したことを明らかにした。これは同社が当初報告していた人数の4倍を超える」とのこと。約3万人も性犯罪者が登録していたのか!とビックリしますが、MySpace が抱える膨大なユーザーの数と、アメリカでの性犯罪に対する厳格な取締りを考えれば、不思議ではないのかもしれません(だからと言って犯罪者が野放しになっていて良いというわけではありませんが)。

この記事を読んで「やっぱりネットのサービスは怖い、未成年は遠ざけておくべきだ」と感じた方は、次の記事を読んでみて下さい:

10代のSNS利用者は意外に慎重 米大学教授らが研究 (AFPBB News)

フロリダ・アトランティック大学の Sameer Hinduja 教授(犯罪学)とウィスコンシン大学の Justin Patchin 教授(政治学)らが、MySpace 上で18歳未満のユーザーを無作為に抽出し、2,423人を対象に彼らのプロフィールを調査したそうです。

その結果、948人は友人のみにプロフィールを公開する「プライベート」に登録していた。

残りの1475人中、居住都市名を公開していたのは81%、自分の写真を公開していたのは57%、所属学校名を公開していた利用者は27.8%、フルネームを公開していたのは8%、電子メールアドレスを公開していたのは1%、電話番号を公開していたのは0.3%だけだった。

とのこと。「実名や連絡先が分からなくても、所属学校と自分の写真を晒しているだけでも危険!」と仰る方もいらっしゃるかもしれませんが、AFPBBの記事タイトルの通り、「意外に慎重に使っている」という印象ではないでしょうか。アメリカの若者たちは、ネットという場所で安全に遊ぶためにはどうすれば良いか、次第に適応し始めているのかもしれません。

確かに遠くに住んでいる犯罪者たちともコンタクトが取れてしまうという点で、ネットは非常に危険なものだと思います。僕も娘が年頃になって、ケータイやSNSを始めたいなどと言ったら、反対しないまでも強く不安を感じるでしょう。しかし親が心配するよりも早く、子供たちはネットの危険性を学んでくれるのかもしれない……AFPBBの記事を読んで、そんな希望を感じました。ただの楽観主義、でなければ良いのですが。

むしろネットを利用する際に注意が必要なのは、僕らやもっと上の世代かもしれませんね。考えてみれば、様々な流出事件はオトナが起こしたものですし、「オレオレ詐欺」などは電話とATMというテクノロジー(?)を利用して高齢者を騙すものです。「子供にネットをさせるのは心配だ」と感じるのと同じくらい、他の世代にも配慮が必要なのでしょう。

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