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セカンドライフは時代遅れ?

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最近なぜか、ウチの奥さんが「セカンドライフをやってみたい」と騒いでいます。もちろん定年退職して優雅に暮らす、という意味ではなく、Second Life の方。しかし ITmedia 界隈ではあまり良いウワサを聞かないので、ここらで全体像を把握しようと思い『セカンドライフ創世記』という本を買って読んでみました。ところがその中に、ちょっと気になる記述が:

さて、主要な仮想世界の過去1年のトラフィックは、グラフに示したとおりです。セカンドライフは2006年秋にブレークしてトラフィックが急増しているものの、2007年4月以降は横ばいです。これに対してガイア・オンラインとツウィンキーが2007年に入ってから着実な伸びを見せています。2007年5月時点ではセカンドライフ、ガイア、ツウィンキーのトラフィックはほとんど伯仲の状態です。こうしたデータから仮想世界系サービス間の競争の激しさがうかがえます。

セカンドライフ人気に対する疑問には、「広告代理店が煽っているだけではないのか」「単に『セカンドライフ初の○○!』というパブリシティ効果狙いの企業が多いからではないのか」「RMTやオープンソース化など先駆的な取り組みへの期待が高いだけではないのか」といったものがあります。個人的には煽りでも未来への期待でも、それに伴って人気が高まれば良いのではと考えていたのですが、ライバルの前に人気は失速気味なのでしょうか。

タイミング良く、Advertising Age にこんな記事がありました:

Second Life Losing Lock on Virtual-Site Marketing (Advertising Age)

アメリカでも「セカンドライフ初のホテル!」「セカンドライフ初のアパレルショップ!」などというパブリシティ効果を競う時期があったが、それが一段落した現在では他の仮想世界サービスが人気を博している、という内容。ここでもツウィンキーに関する言及がありますが、同サービスの2007年5月の訪問者数(unique visits)は約360万人だったのに対し、セカンドライフの今年全体での訪問者数は400万人だったとのこと。また仮想世界を通じたマーケティングの成功例として、ツウィンキー内でのバーチャルコンサートとアヴリル・ラヴィーンのスタードール(www.stardoll.com)活用事例が紹介されています。

企業活動の成功例やユーザーの数だけで、仮想世界の成功は議論できないのかもしれません。また上記のツウィンキーとスタードールはSNS的な機能を併せ持つサービス(そもそもツウィンキーの母体はSNSで、仮想世界はそこに追加された機能)で、「セカンドライフとは目指している方向が違う」という議論もあるでしょう。しかしセカンドライフばかりに目を奪われていると、他の仮想世界サービスがどのような進化を遂げているか、またどんなコミュニティが生まれ始めているかを見逃してしまう恐れがありそうです。少なくとも企業活動にどう活用するのかという点に興味のある方は、上記のようなサービスにも注意しておく必要があるのではないでしょうか。

仮に mixi や MySpace がセカンドライフを念入りに研究していて、突然3Dアバター機能や仮想世界機能を導入したとしたら、それだけで(少なくとも日本国内では)セカンドライフをしのぐサービスになるわけですからね。技術的には難しいかもしれませんが、既に仮想世界を構築している企業と提携する、などという可能性もあるでしょう。セカンドライフが唯一の選択肢だ、という判断は控えておいた方が良いのかもしれません。

そういえば先日、こんな記事も出ていましたね:

新GREEはケータイに「住む」 アバターと“部屋”導入 (ITmedia News)


【注意】

上記の記事中で紹介した「ツウィンキー(Zwinky)」ですが、そのURLを"www.zwinky.com"と表記していました。これは『セカンドライフ創世記』、および Advertising Age の記事中でこのように表記されていたため、それに従ったものです。しかし現在、同URLにアクセスすると"http://zwinky.smileycentral.com/"というURLにリダイレクトされ、ソフトウェアのインストールを要求されます(更にりょーちさんのコメントによれば、ウィルスらしきものが確認されたとのこと)。一方、アカウント取得用のページは"http://home.zwinky.com/zwinkyhome/main.jhtml"というURLになるようです。これが全て意図された動きなのか、あるいは何らかの改竄があったのかは分かりませんが、同サービスを利用してみようという方はご注意下さい。

(2007/7/13 0:10)

この"Smiley Central"ですが、以下のページに関連情報がありました。「アドウェアの疑いあり」ということなので、ご確認下さい:

http://www.shareedge.com/spywareguide/product_show.php?id=2181

(2008/7/13 0:28)

Comment(8)

コメント

zwinkyはためしてみましたか?
先ほど、zwinkyをインストールしようとしたらウィルスらしきものがインストールされようとしたのですが・・・

アキヒト

りょーちさん、コメントありがとうございます。
いや、ツウィンキーはトップページにアクセスしただけで、アカウントの取得等は行っていません。確かに同ページにアクセスすると、何らかのソフトウェアをインストールせよと表示されますね・・・。

mohno

わお。SmileyCentral って Ask.com(元 AskJeeves)のものだったんですね。Ask が「検索アルゴリズム」を宣伝していたことを TechCrunch でコケにされていましたが、こんなところで人々の検索文字列情報を収集していたんですね。
SpywareGuide には「アドウェアの疑いあり」とは書いてなく、「スパイウェアではない。アドウェアではない」ということが技術的に正しいと書いてありますね。
※参考 → http://help.smileycentral.jp/spw/notspyware.html
まあ、はっきり言ってドメイン名以外はどうでもいいんですけど:-p

アキヒト

mohno さん、コメントありがとうございます!
そう、SmileyCentral は Ask.com のもののようですね。なのでスパイウェア/アドウェア的なものは入っていないと思うのですが、こちらのページを見ると:
http://help.smileycentral.jp/spw/notspyware.html
「セキュリティソフトにスパイウェア/アドウェア認定されてしまっているが誤解だ!誤解を解く為にがんばっています!」
といったところのようですね。なんだか zwinky.com からおかしな方向に話が進みましたが、とりあえず改竄などではなさそうなので安心しています。

ダカーポ

丁度これと似たような現象に、ウォルマート参入がありましたね。日本上陸前にあれだけ騒がれたウォルマートですが、今では報道上では影も形もありません。SLも、日本語によるサービスが始まったら始まったで、一斉に話題から消えることは目に見えている感じです。

今、SLをやりたいと考えている人の動機は、「流行ってる」「人気がある」という理由だけなんじゃないでしょうか。SLのように、窓口は広くても奥が深くて狭いものって、始めやすい反面、簡単に飽きられてしまう弱さもあるわけです。SLの未来は、そういう層をいかに繋ぎ止めていけるかにかかっているのではないでしょうか。

アキヒト

ダカーポさん、コメントありがとうございます。
> SLも、日本語によるサービスが始まったら始まったで、一斉に話題から消えることは目に見えている感じです。
そうですね、延び延びになっているセカンドライフ日本語版発表ですが、発表がひとつの転機になるのかもしれませんね。そこでグッとユーザー数を拡大して、企業の進出にも弾みをつけることができるのかどうか。そして仰る通り、興味本位で始めたユーザー(僕もその一人ですが)を繋ぎとめられるような「何か」が生まれるのかどうかが、今後の成否を決めるのでしょう。

taka

@米国です。この会社って
日本語だとツインキーになっちゃうんでしょうか。
英語だとズ(ゥ)インキーなんですが。

アキヒト

taka さん、コメントありがとうございます。
実は僕も『セカンドライフ創世記』の記述に従っただけで、実際に発音されるのは聞いたことがありません。まぁ、「ズ(ゥ)インキー」よりも「ツウィンキー」の方が(日本人的に)可愛い響きだろう、という判断があったのかもしれませんね。

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