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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

美術館を出た後も、利用できます。

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最近都内では新しい美術館がオープンしたり、大きな展覧会が開催されたりと、アート関係の話題を耳にする機会が多くなっています。そんな中、東京都現代美術館(MOT)でユニークな試みが始まったとのこと:

東京都現代美術館 携帯電話音声ガイド 「ITSUMOt」誕生!

東京都現代美術館では、2007年6月2日(土)から、au、NTT DoCoMo、SoftBankの携帯電話でご利用いただける音声ガイド「ITSUMOt(イツモ)」をスタートいたしました。
展覧会情報などのインフォメーションをご覧いただけるほか、音声データのダウンロードが可能な機種なら、いつでもどこでもどなたでも、展覧会音声ガイドがお楽しみいただけます。

というサービスで、既にコンテンツをダウンロードすることができるようになっています(1展覧会につき315円)。美術館に用意されている音声ガイドって、なかなか参考になることが多いのですが、当然ながら帰るときに返さなければいけません。しかしこのサービスなら、ミュージアムショップで気に入った絵の絵ハガキでも買って、後で見ながら改めて解説を聞く……ということが可能になるわけですね。これは簡単な発想ながら、利用者に嬉しいサービスではないでしょうか。また「普段は音声ガイドを利用しないけど、家に帰った後でも聞けるなら買ってみたい」という人も増えるでしょうし、人気の展覧会で「音声ガイドがすべて貸し出し中!」なんて機会損失もなくなりますから、美術館にとってもメリットがあるでしょう。

となかなか興味深いサービスなのですが、僕はいっそのこと、音声ガイドを無料でダウンロードできるようにしてしまっても良いのではと思います。音声ガイドだけ聴いて、対象となっている作品を見ないで十分と思う人は少ないでしょう。普通なら興味を引かれて、実物を見に行こうかと考えるはずです。実際、うちの近所にある井の頭公園では、こんなケースがありました:

動物園で「iPod」を活用したガイドサービス-井の頭自然文化園 (吉祥寺経済新聞)

今年のゴールデンウィーク期間中、井の頭公園で「Being いきてること展」というイベントがあったのですが、この中で iPod で楽しめるコンテンツを用意・展示と連動させるという試みが行われたそうです。園ではコンテンツをあらかじめダウンロードした iPod を無料貸し出しすると共に、同じコンテンツをポッドキャストで配信(従って自分の iPod にデータを入れて来場することも可能)。その結果、

同園のゴールデンウィーク期間中(5月29日~6月6日)の入場者数は、のべ70,249人と、前年度に比べて26,6%増加した。恩賜上野動物園、多摩動物公園、葛西臨海水族園などの東京都動物園協会に加盟する動物園の中では1番の増加率だった。
(吉祥寺経済新聞 「井の頭自然文化園、「iPod」効果でGWの入場者数アップ」より)

とのこと。詳しい分析をしたわけではないですが、ポッドキャストで配信されたコンテンツで興味を引かれ、来場した人も多かったのではないでしょうか。音声ガイダンスの無料配信でも、同じような効果が出せるのではないかと想像します。

さらに妄想を許してもらえるなら、「音声ガイダンス」だけでなく「映像ガイダンス」も用意して、ビデオ再生ができる端末で利用してもらうことを想定しても良いのではないでしょうか。その方が利用者にとってはより楽しめますし、何より YouTube にアップして、ブロガーを通じて話題を広めてもらう -- と欲張りなことも考えられます。テレビ番組で展覧会系の告知ができるところといえば、NHKの『新日曜美術館』ぐらいのものですから、美術館だってネットクチコミの活用に本腰を入れてみては面白いのでは。

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