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学校が好きだと、早く起きられる

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学校に行くのが楽しいと、朝グズらずにパッと起きられる -- そんな至極当然の話が、調査によって明らかになったそうです:

「早起きの子どもは学校が好きで楽しい」 3都県調査 (asahi.com)

教育学や食物学の専門家でつくる「子どもの生活リズム向上のための調査研究会」の調査結果について。1都2県の小学校、計4校の生徒231人を対象に行われたもので、「学校が楽しいかどうか」「朝何時に起きるか」「朝食に何を食べたか」が調査されたそうです。その結果、学校を「とても楽しい」と答えた生徒の割合は、朝起きる時間が早ければ早いほど大きくなったとのこと。学校が楽しいから、ついつい早起きしてしまうのですね。

……という結論にはなっていないようです。記事を読まれた方ならお分かりだと思いますが、「早起きすると生活にリズムが生まれ、学校が楽しくなる」というのが研究会のコメントとのこと。つまり「学校が楽しい」が因、「早起きする」が果ではなく、「早起きする」が因、「学校が楽しい」が果と捉えているわけですね。さらに学校が「とても楽しい」と答えた生徒のうち51%が、主食や副菜などが4品以上ある食事を取っていたという結果が出ているそうで、それもふまえ「早起き+バランスの良い食事=楽しい学校生活」という図式が提示されています。

調査結果の1次資料に触れたわけではないので、何が正しいか結論を下すことは当然できません。しかし記事を読む限り、何が原因で、何が結果かを論じるのは早急なような気がします。もちろん「学校が楽しい」と答えた生徒は「朝早く起きている」という結果が出ているので、この2つに相関関係がある(※因果関係ではなく)ということは言えるでしょう。しかし僕が冒頭でわざと間違えたように、「学校が楽しいから早起きできるのだ」とも考えられますし、全く別の要因が「早起き」「学校が楽しい」という結果を導き出している(どちらかが「因」ではなく、どちらも「果」である)という主張も可能です。せっかく興味深いアンケート結果が出ているのですから、さらに掘り下げて「因」と「果」を研究して欲しいと思います。

余談ですが、こういった記事が掲載されてしまうのも問題のような気が。もし元の研究で因果関係が証明されているのなら、その部分をきちんと記事で解説しなければいけませんし、無いのなら不備を指摘しておくべきでしょう。ただでさえ、ある主張が新聞という媒体に載った瞬間に、人はそれを真実のように感じてしまうものです。記者の方には、慎重な態度で情報に接して欲しいと思います。

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