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論より証拠

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ご存知の方も多いと思いますが、ディスカバリー・チャンネルに『怪しい伝説』(原題は"MythBusters")という人気番組があります。これは都市伝説や言い伝え、映画などで伝えられている話が本当なのかどうか、実際に検証して確かめてみようという番組。実際にどんな実験を行ったのかは公式サイトや Wikipedia をご確認いただくとして、これがとにかく面白い!「これって本当じゃないかな……」と思えるような話でも、実際に目の前で再現されると、「あぁウソだったんだ(まれにその逆もあり)」と納得させられます。「論より証拠」「百聞は一見にしかず」を地で行く番組、と言えるでしょうか。

先週の朝日新聞で、この『怪しい伝説』を彷彿とさせるような実験が報じられていました:

船箪笥は浮く伝説を実証、山形県酒田市で (asahi.com)

江戸時代、船乗りたちが金庫代わりに貴重品を収納し、船に載せていたというのが「船箪笥(ふなだんす)」。船の揺れに耐えるように金具で覆われているものの、箪笥の中には水が入らないような仕組みになっており、「船が難破しても浮く」という伝説があるそうです。この伝説を検証するために、酒田木工同好会がなんと約100万円をかけて船箪笥を用意、実際に川に浮かべてみたとのこと。重さ約40キロ+小判代わりの硬貨や印鑑、船鑑札を入れたという船箪笥、結果は……5分以上ぷっかりと浮いたそうです。

いや、検証するなら実際に浮かべてしまえば早い、というのは分かるのですが、100万円もかけた箪笥を川に投げ入れてしまうというのはスゴイですね(ちゃんと回収できたんでしょうか……)。しかも本当に浮いたということで、伝統の職人技の素晴らしさを証明する結果となりました。同好会は「沈まない箪笥として売り出したい」と話しているとのことですが、この実験結果があれば、十分アピールできるでしょうね。

何か新しいことにチャレンジしようとすると、どうしても「十分に検証してから」「リサーチを行ってから」という態度になりがちです。しかし船箪笥の実験のように、論より証拠、実際に試してしまった方が早いということも多いのではないでしょうか。とはいえ「実験を行うのにも稟議が必要」というケースも多いのですが、たまにはこんな風に、体当たりの実験にチャレンジしてみたいものです。

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