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「ペット貸し出しサービス」の可能性

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僕は猫が大好きなのですが(最高で7匹同時に飼っていたことがあるくらい)、いまのマンションは動物禁止のため、飼うのはあきらめています。なので「ネコが接客してくれるカフェ」というニュースに激しく心を動かされてしまったのですが、それより一歩進んで、「ペット共有サービス」なるものがアメリカに登場したそうです:

Flexible pet ownership (Springwise)

紹介されているのは FLEXPETZ というサービス。ロサンゼルスとサンディエゴに展開しているサービスで、メンバーになると、FLEXPETZ が飼っているペット(現在は犬だけの模様)を好きな時間(数時間から数日まで指定可能)借りることができるというもの。予約はオンラインで可能で、ラブラドールレトリバーやアフガンハウンドなど、様々な犬種が用意されています。一匹の犬を何十人の人々が取り合うという事態を避けるために、メンバー登録には制限が設けられているそうです。

個人的にはすごく利用してみたい(犬だけど)サービスなのですが、生き物を扱うだけに、賛否両論あると思います。貸し出されるペットがストレスを感じないか(ちなみに FLEXPETZ では、初めて借りるメンバーはトレーナーによるトレーニングを受けなければならないとのこと)、メンバーがペットに危害を加えることはないか/その逆をどう防ぐか、貸し出されていない期間の飼育体制はどうかなど、様々な課題をクリアする必要があるでしょう。しかしこうしたサービスを利用したいという人々は、決して少なくないのではないでしょうか。

例えば、高齢者だけの所帯。ペットを飼いたいけれど、体の具合が悪くなったときのことを考えると躊躇してしまう……そんな時には、こうした貸し出しサービスが最適だと思います。あるいは現在飼っているペットを「委託」して、好きなときに触れ合うことができるようにすると共に、不幸があった場合には責任もって飼育してくれる/次の飼い主を探してくれるサービス、などのように進化できるかもしれません。また FLEXPETZ では、貸し出しされていない期間は檻に閉じ込めずに飼育するそうですが、そのように「動物にとって最適な飼育環境」を考慮した上で「飼う」のではなく「借りる」という選択肢を選ぶ人も出てくるでしょう。

「好きなときだけ動物を可愛がりたい」というエゴを満たすだけのサービスか、あるいは本当に動物のことを考えて登場した「動物との新しい接し方」なのか。いずれにしても、今後議論を重ねていかなければならないと思います。

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