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たまには、ゆっくり歩こう

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娘を連れて、実家に帰ってきています(家庭内不和!?ではないのでご心配なく)。いつもはクルマで帰るのですが、今回は気分を変えて電車で。車窓からの風景と、駅まで/駅からの歩き道を楽しんできました。

娘を連れて歩くと、自然とスピードが遅くなり、普段見えないものまで見えてくるようになります。昨日も駅が改築されたことや、喫茶店がオープンしていたこと、自動販売機に面白い商品が並べられていたことなどに気がつきました。毎日こんな調子で歩くわけにもいきませんが、スピードを変えるだけで見えてくるものが違うというのは面白いものです。恐らく会社の行き帰りでも、様々なものを見逃してしまっているのでしょう。

最近、こんな記事を読みました。調査によると、人々が歩くスピードは少しずつ速くなっているそうです:

'World is walking 10% faster' (itv news)

32ヶ国で行われた調査の結果、10年前と比べ、通行人(携帯電話で話している人や買物袋を持ち歩いている人を除く)のスピードは10%速くなっているのだとか。また体格的な差もあるのでしょうが、男性のスピードは女性に比べ、25%速かったそうです。ちなみに調査対象となった32都市の中で、最も平均速度が速かったのはシンガポール。ニューヨークは第8位で、東京は19位という結果がでています。東京の通行人は60フィート(約18メートル)歩くのに平均12.83秒という結果なのですが、これは時速に直すと約5.1km。平均的な歩く速度の目安が時速4kmと言われていることを考えると、全世界で19位と言えどもちょっと早歩きかもしれませんね。

ビジネス的にはこの結果、広告の長さや自動改札の反応速度など、時速5.1kmに合わせた対応をしなければならないという結論になるのかもしれません。より早く歩けるように、早く歩いても見てくれるように。しかし速く歩くことが肯定されてしまっても良いのでしょうか。「10年間で人々の足は10%長くなったのだ」などという理由なら良いのですが、10%余裕が無くなったために早歩きしているのだとしたら、何とも悲しい気持ちがします。

ゆっくり歩いたからといって、余裕が生まれるわけではありません。しかし早歩きで過ぎ去ってしまっては見えない風景もあるはずです。たまには心に余裕を持って、スローペースで歩いてみる。それだけで、日常生活の中から新しい発見が生まれるかもしれません。

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