胡蝶蘭を救え
先日、たまたまうちの奥さんとオフィスビルの中を歩いていたら、大量の胡蝶蘭が搬入されているのを見かけました。どうやら企業の移転があったらしく、そのお祝いで贈られたもののようです。きれいだなーと思っていたら、奥さんが「もったいない」と言い出すではないですか。曰く、「胡蝶蘭は多年草だから手入れをすれば長く楽しめるのに、贈られたものは捨てられてしまってかわいそう」とのこと。……すみません、無知をさらけ出すようで恥ずかしいのですが、実は僕「胡蝶蘭って1回花をつけたら終わり」って思ってました。
過去に何度か「胡蝶蘭を贈られるオフィス」の人間になったことがあったのですが、たいてい最後は「そろそろ片付けようか」ってことになり、粗大ゴミ送りになっていました。なのでてっきり枯れてお終いになると思っていたのですが、手入れをすれば何度も楽しめるのですね。だとしたら、贈答用に大量の胡蝶蘭が使われるというのももったいない話です。
ちょっと検索してみたのですが、胡蝶蘭の回収サービスを行っている企業、けっこうあるようですね。しかしあまり知られていない(僕だけかもしれませんが)のは、「回収->他企業に使い回す」というイメージが付いてしまうことを恐れて、積極的に宣伝していないからかもしれません。仮にそうだとしたら、「多年草を1週間ぐらい飾って捨ててしまうのはもったいない、ちゃんとリサイクルしよう」という意識が(贈る側・贈られる側である)企業の間に広まって欲しいものです。
いや、さらに追求するならば、企業間のお祝い用に生花を贈るという習慣ももっとスマートになって欲しいものです。新しい企業やオフィスのスタートを飾りたいという気持ちは分かりますし、そうして構わないと思うのですが、「祝賀期間が終わったら捨ててしまう」という部分は何とかすべきではないでしょうか。例えば一定期間が過ぎたら、希望者(多年草を育てる庭とノウハウがある、少し枯れ始めた花でもいいから家に飾りたい、などといった社員さん達)に転送するサービスなんてものがあっても良いかもしれません。
しかし一番良いのは、オフィスに贈るという風習は止めて、「貴社の門出を祝して、○○公園に花壇を造りました」「植樹しました」みたいなお祝いの仕方に変えることだと思うのですが……そしたら、多くの人々が長い間楽しめて、お祝いや感謝の気持ちも残ると思いませんか?搬入される大量の胡蝶蘭を見ながら、ふとそんなことを考えてしまいました。