バイオガソリンで桶屋が儲かる?
週末なので、ちょっと軽いネタで。「風が吹けば桶屋が儲かる」 -- 最近、この言葉を地で行くようなニュースがありました:
■ 100%果汁ジュース、一斉に値上げへ ハリケーン被害 (asahi.com)
100%果汁のオレンジジュースやグレープフルーツジュースが、5月からいっせいに値上げされるとのこと。直接的な原因は、フロリダのオレンジ産地がハリケーンによる被害を受けたためだそうですが、ブラジルなどでオレンジ畑がサトウキビ畑に替えられていることも影響しているのだとか。なぜオレンジがサトウキビに替えられているのか -- その背景にあるのが「バイオガソリン」です:
■ バイオガソリンの増産 食糧問題の引き金になる可能性も (asahi.com)
昨日4月27日からバイオガソリンが販売開始になったので、このニュースを耳にされた方も多いかもしれません。バイオガソリンの原料となるのがバイオエタノールで、バイオエタノールの原料となるのがトウモロコシ。バイオエタノールに注目が集まったことで、トウモロコシの価格が急上昇。そこで「カネになる」トウモロコシを栽培するために、他の作物の生産を止めて転作する農家が増えた -- その1つがオレンジだった、というわけです。
バイオガソリンの是非や、食糧問題との関連性についてはちょっと脇に置いて(どちらも重要な問題ではありますが)。バイオ燃料の推進が、オレンジジュースという身近な商品に対する影響として現れてくるというのは面白いですね。まさに「風が吹けば……」といったところですが、仮にこの影響を予想できた会社があったとしたらどうでしょうか。先手を打って果汁の確保に動き、今頃大儲けしているかもしれません。
そんな大儲けを狙うのは、確かにバクチのような話かもしれません。しかし「ウチは農家だから、燃料問題なんか関係ない」と視野を狭めてしまっては、重要なシグナルに気付く確率を限りなくゼロにしてしまうでしょう。日頃から様々な話題に触れ、「桶屋が儲かる話にならないかな?」と想像をふくらませるのは価値があるのだということを、オレンジジュース値上げのニュースが諭しているように感じました。