アイデアは、最後にやってくる
昨日は Babson College 卒業生の方とお会いし、ランチをご一緒してきました。久しぶりに授業で苦労したことなどを話しているうちに、ふと思い出したことが。
バブソンのビジネススクールはグループ活動を重視しており、様々なクラスで他人と協力して成果物を仕上げることが要求されます。これがノンネイティブスピーカーにはなかなか大変なのですが、ある日ディスカッションが終わると、友人からこんなことを言われました:
「アキ(Akihito では長いので"Aki"と縮めて呼ばれていました)はいつもユニークなことを言うよね~。」
さて、僕は独創的なアイデアが次々生み出せるような天才だったのでしょうか。もちろんそんなことはありません。実はネイティブスピーカーたちのディスカッションに参加すると、彼らのスピードについていけず、いつも最後の方にならないと発言できなかったのです。しかし他人と同じ意見を言っていては、「コントリビューション(貢献度、成績をつける上で評価されるポイントの1つ)」がゼロになってしまう……そこで頭をひねって、他の誰も言っていない意見で、かつ受け入れられる範囲内のものを必死で考えた結果が「ユニークなことを言う」につながっていたのでした。
よく発想法で「大量のアイデアを一気に考えてみる」というものがありますよね。しかし量を出すというのは本当に大変で、例えば「100個のアイデアが出るまで今日は終わらない」などを実践してみると、結局「99個出たからいいや」などと妥協して終わってしまうことが多いのではないでしょうか。しかし99個のアイデアは、本当の苦労をしなくても生み出すことができたアイデア。本当に独創的なアイデアは、普通の人々には達することのできない「最後の1個」にこそ潜んでいるのではないか、と思います。