オルタナティブ・ブログ > シロクマ日報 >

決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

インド警察の「香りつき制服」

»

いやぁ、相変わらず IT に関係ないネタで ITmedia さまに申し訳ないのですが、今回も個人的に興味を引かれたニュースを。インドの警察が「花の香りつき制服」を導入するとのこと:

インドの警察、新制服は「花の香り付き」 (asahi.com)

インド西部、グジャラート州の警察官が「かんきつ類や花の香りを染み込ませた新しい制服」を導入するとのこと。イメージ改善を目的としたもので、デザイナーは「爽やかな香りがしたら近づいてみたくなるでしょう」と語っているそうです。BBC のサイトに、もう少し詳しい解説が載っていました:

Gujarat police try to smell sweet (BBC NEWS)

なるほど、香りはシトラス+ジャスミン+ローズを合わせたものですか。また単に良い香りをつけるだけでなく、悪臭を発散させる仕組みも付いているようです(でないと香り+悪臭でよりヤバイことになりますよね)。さらに香りは繊維に付けられているので、何回か洗っても消えないようになっているとのこと。現場の警察官も概ね歓迎しているようです。

このニュース、面白ネタのようにも感じられますが、けっこう興味深いのではないでしょうか。「香り」というのは脇役のようにも感じますが、実は嗅覚は五感の中でも特に重要で、モノや人に対するイメージを大きく左右する力を持っているそうです。最近では「香り」を企業ブランディングの一部として取り上げようという動きがあり、「五感ブランディング」などという言葉も登場しています(以前もご紹介した『五感刺激のブランド戦略』という本に詳しいです)。例えばコクヨはオフィス空間デザインのコンサルティングを行うサービスを行っていますが(詳しくはコクヨのニュースリリースで)、単に家具や内装を選ぶだけでなく、「企業イメージに応じたオリジナルアロマ」を調合してくれるそうです。

制服のない職場では難しいかもしれませんが、飲食店などではこの「香りつき制服」を導入して、香りによるブランディングをコントロールするなどということも考えられるのではないでしょうか。またスーツ着用のビジネスマンでも、全社的に「商談前につける香水」を導入して、匂いの面からお客様に与える印象を統一する……なんてことがあっても面白いと思います。

まあ香りは目に見えるものではなく、客観的なデータに置き換えることが難しいので、きちんと効果測定できないという面がありますが。グジャラート州の取り組みがどんな結果をもたらすか、注目していても面白いのではないでしょうか。暑いインドで汗水たらして働く警察官たちが「香りによるブランディング」に成功したら、ビジネスでも応用しようという企業が増えるのではないかと思います。

Comment(2)