他人の眼で見る楽しさ
遅ればせながら、iPhone が発表されましたね。Apple らしいデザインと先進性ということで、ネット上でも大きな話題を呼んでいますが、僕は別の意味でも今回のニュースを楽しませてもらいました。それは、「他人の眼で世界を見る楽しさ」の再発見です。
iPhone 発表後、ブロガーの反応をまとめたエントリをいくつか見かけました。以下はその1つ、シナトラ千代子さんの記事です:
■ iPhoneについての感想をコレクションする (シナトラ千代子)
賛否両論、真面目に語るものからネタとして遊んでいる記事まで、本当に千差万別といった感じです。僕は携帯電話はおろか、ハードウェア一般に疎いのでほとんどの記事を「なるほどな~」という思いで読んだのですが、どんな方でも「なるほどこんな見方もあったのか」という記事をこの一覧の中から発見することができるのではないでしょうか。
ブログをジャーナリズムと対比させ、一次情報や客観的な情報の発信ができないことを批判する(そしてブログの価値全体を否定する)意見がありますが、僕はそれがブログの一面しか見ていない意見だと思います。iPhone は「こんなのを作ったよ」という発表があったばかりであり、実機に触った上で書かれた記事はごくわずかですが、だからと言って推測や2次情報で書かれた記事の魅力を否定することができるでしょうか?たとえ誤りが含まれている記事であっても、新しい視点を与えてくれるブログは数多くあります。極端な話、主観的で恣意的な情報発信をすることこそブログの価値だと言えるのではないでしょうか。
どんな人にも「主観」というものがあり、無意識のうちに情報を取捨選択しています。同じ iPhone という製品を見ても、プログラマーであればソフトウェアに関する情報を、エンジニアであればハードウェアに関する情報を、デザイナーであればデザインに関する情報に目が向いてしまうでしょう。その結果、「これは注目すべき価値はないな」などといった誤った判断を下してしまう可能性があります。そんな時、ブログは「他人の眼で見た世界」を我々に見せてくれるツールとして役立ってくれるのではないかと思います。
その意味で、RSSリーダーに登録するブログは「お気に入り」のものだけでなく、「大嫌い」なものも含めることをオススメします。自分と正反対の考え方を追体験することで、思いもよらぬ発見ができるかもしれませんから。