絵本を作ろう
昨日のエントリでも書きましたが、年末年始は家族の看病でどこにも行けず。引きこもってテレビを見るという不健康な生活を送っていたのですが、幸いケーブルテレビなどで面白い番組を放送していたので、それなりに楽しめました(こんなに長時間テレビを見たのは凄く久しぶり)。その中に、椎名誠さんと茂木健一郎さんが絵本をテーマに対談するという番組があったのですが、そこでこんな発言がありました:
「絵本は誰か(父母や祖父母、保育士など)に読んでもらうという点で、他の書物と大きく異なっている。」
ぼーっと見ていたので、一字一句同じというわけではないのですが、だいたいこのような内容でした。言われてみれば、確かに絵本って特殊な存在ですよね。読み手の他に語り手がいるという前提で考えれば、「何を読むか」は語り手の意思にも左右されるという点、情報は文字と画像(絵)だけでなく音(声)を通じても伝えられるという点などもユニークな要素であることに気づきます。
そう考えると、ヒットする絵本を作るというのは非常に難しいチャレンジですよね。ちょっと考えただけでも、以下のような課題があると思います:
- 大前提として、大人(購入者)と子供、両者を満足させるものでなければならない。
- 大人には「自分が面白いだけでなく、子供が読んでも楽しめる本だ」ということを納得させなければならない。
- 文章は内容が面白いだけでなく、発話しやすく、発話した際の音も楽しめるもの(面白い・リズミカル・心地良いなど)でなければならない。
- 語り手が感情移入しやすく、演じやすい内容でなければならない(「読んで楽しい」ではなく、あくまでも「読んでもらうと楽しい」内容を)。
- 一度読んで終わりではなく、二度三度と読み返しても飽きないストーリーでなければならない。
上記以外にも多くの注意点が出てくるかもしれませんが、これだけクリアするのでも相当苦労するはずです。「自分ならどんな絵本を、どう売り出すか?」と考えてみることは、良い思考トレーニングになるのではないでしょうか。最近は「ストーリーテリング」のスキルをビジネスに活かそうという声もありますし、意外と役立つ発見があるかもしれませんよ。
ちなみに・・・僕が子供の頃に好きで、いまは僕の娘が大好きな絵本がこちら。有名なので、ご存知の方も多いかもしれませんね。未読の方は、このオチにビックリしますよ!: