「ゴディバ自分買い」は流行するか?
ブランドの話が続きますが、今日はゴディバ。高級チョコレートのブランドとして有名な、あのゴディバです。日経ビジネスの最新号によると、ゴディバがJR新宿駅の駅ナカに新コンセプトのお店をオープンさせる予定とのこと:
■ 時流超流 -- 駅ナカに、ゴディバ登場 (日経ビジネス 2006年12月25日・2007年1月1日合併号)
オープンは来年1月上旬の予定。店舗面積は15~20平方メートルという小型店で、「一口サイズの板チョコ5枚セット」「トリュフチョコ2粒入り」などといった個包装タイプが中心の品揃えになるとのこと。ゴディバと言えば「贈答用」というイメージですが、新コンセプト店の狙いは「自分買い」で、客単価も従来店舗が2,000円以上であるのに対し、350~700円を想定しているそうです。
僕がよく出没している吉祥寺にもゴディバのお店があるのですが、中に入ったことはありません。ゴディバはまさしく「贈答用」で、自分で食べるものではないという感覚があるからです(ちなみにチョコレートは大好きで、最近はジャン=ポール・エヴァンのチョコに感動しました)。また価格だけでなく、商品自体も「進物」というデザインなんですよね。最近は新たな路線を打ち出しているようですが、僕の頭にあるゴディバは「お中元・お歳暮で親がもらうような、小さなチョコレートの箱詰め」といったイメージです。
ゴディバもその点はよく理解しているらしく、文中で
ところが、ゴディバは「30年前は最先端ブランドだったが、今は50~60代のお母さんのブランドになっている」。若者の関心は新たに登場したチョコレートメーカーに向いており、ゴディバは一昔前のブランドイメージとなりつつあった。
という解説がされています。それを打破するのが、今回の新コンセプト店というわけです。
確かに新宿駅の駅ナカにお店があったら、ちょっと買って帰ろうかな?という気になるかもしれませんね。しかしジャン=ポール・エヴァンなど新しいブランドはゼロからイメージ構築が可能だったのに対して、ゴディバは「両親が贈る/贈られるチョコレート」というイメージを壊さなければなりません。単に進物用が個包装になっただけでは、「やっぱり古臭いな」という感覚を与えてしまうだけでしょう。「ゴディバでチョコレートを買い、自分で味わう」という行動をどこまで魅力的なイベントと感じさせられるのか、挑戦は楽ではないと思います(その意味で「新宿駅ナカ」という雰囲気がどのような影響を与えるか微妙かも)。
以前うちの奥さんが、ジャン=ポール・エヴァンのロゴが入った紙袋に荷物を詰めて会社にいったところ、ずいぶん話題になったそうです。そんな「ウワサになるチョコレート」にゴディバも変身できるのかどうか、まずは来年の駅ナカ店オープンを楽しみにしたいと思います。