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ピンクの発想・その2

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先日「ピンクのPSPが発売される」というニュースに関してエントリを書きましたが、その続きを少し。WIRED のブログに、こんな記事がありました:

Games 4 Girls at Gamestop: Gagging, Weeping, Bleeding From the Eyes (Wired Blogs)

百聞は一見にしかず、という言葉がピッタリでしょうか。カリフォルニアのとあるゲーム専門店の写真だそうなのですが、"Games 4 Girls"(女の子向けゲーム)と題された什器が写っています。そこに描かれているのは、濃いピンクを基調としたメルヘンキャラたち。まさにさもありなん、といった感じの一角です。

この写真のもう1つのポイントは、什器が入口の近くに置かれているところ。記事では「女の子はゲーム専門店なんて入りづらいだろう。入口近くにまとめてあげるから、好きなものを選んでさっさと出て行け!」という発想が見て取れる、と主張しています。さすがにそれは冗談だとしても、ゲームの側を女性に向けて開放しようと考えているのではなく、あくまでも「女性ゲーマー=特殊な存在」と認識していることの現われでしょう。

さすがに日本はここまで酷い状況ではないと思いますが、「普通の女性も買いに来る」ということを意識して店作りをしている例も少ないと思います。身近な女性の例としてうちの奥さんに再登場いただくと、彼女が最近プレーしたのは『サイレン』、『クラッシュ・バンディクー4』、『ワンダと巨像』などなどで、決して「普通の女性が楽しめるゲーム」というものが無いわけではありません。しかし近所にあるお店のゲームコーナーは通路が狭く、ソフトもずらっと並べられているだけで「アクション」「RPG」など大雑把な括りがあるだけです。ゲーム専門誌を熟読し、どのゲームがどんな内容かある程度分かっている人々にとっては、お店の什器や陳列方法などは購買に関係しないでしょう。しかしそれこそ「普通の女性」は、本当は楽しめるゲームがあっても、恋人や夫がゲーマーでもなければ触れるチャンスが無いというのが現状ではないでしょうか。

奥さんと一緒にゲームを買いに行くと、いつも彼女は「2~3分でも遊べるようになっていれば良いのに」と言います。いわゆる「お試し」ですね。これは単なる想像ですが、化粧品など「お試し」できて当たり前の環境でショッピングしている女性たちの目には、「パッケージだけ見て判断してくれ(予備知識はどこか他で手に入れてくれ)」というゲームは奇異な存在として写るのではないでしょうか。それ以外にも、何か工夫できる部分があるのではないかと思います。もちろんそれは、什器をピンク色にするなどという発想ではなく。

しかし本当にゲーム業界が女性層を取り込みたいなら、それこそ anan 辺りでゲーム特集が組まれるような社会に変えていかなければならないかもしれませんね。それはそれで不思議な世界かもしれませんが・・・。

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