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2006/01/25

学生症候群

ビジネス
 

 学生症候群という言葉があるそうです。ザ・キャッシュマシーンという本で読みました。内容は、プロジェクトマネジメントを学んだ頃から知っていましたが、学生症候群という言葉は、今回初めて知りました。

 要は、夏休みの最後になってから宿題に着手する。アレ、です。試験シーズンの直前になってから、慌てて勉強する。そうです、アレ、です。

 プロジェクトは勉強ではありません。もちろんプロジェクトから学ぶことは沢山ありますが、それは結果論であり、目的ではありません。有期的であるのです。

 例えばここに、3ヶ月のシステム開発のプロジェクトがあったとします。今日から始まります。しかしなぜか、今週の3日間くらいは無駄に(無駄というと言い過ぎかも知れませんが)時間が過ぎていく。そんな経験はないでしょうか。

 また例えば、3月決算である会社の営業マンだとします。年が明けて、最後の四半期でラストスパートをかける。良く聞く話ではないでしょうか。

 ザ・キャッシュマシーンという本にも、同じ場面が出てきます。この本では四半期の終わりに大量発注が来る理由を、みんなで議論する場面があります。この会社は、山積みの在庫商品を売っているわけではないため、受注が集中すると、インストール作業、トレーニングなどのカスタマーサポート要員が不足する、などのトラブルが発生するからです。ボトルネックを解消するための議論です。

 自動車販売会社でも、良く同じ事が発生しています。新車を安く買うための秘訣、を書いた自動車雑誌があります。今なら、どこのメーカーのどういう車種が割引率が良いよ、なんて書いているわけです。そこには、「期末に買うのが、最も安い」と書かれています。営業マンの追い込み受注につけ込もうということです。ザ・キャッシュマシーンでは、期末症候群と呼んでいます。

 安く買いたい、だけの顧客ならそれで良いのかも知れません。しかし、受注し、良いものをより早くデリバリーしたい。この本に描かれているCGS社はそういう立場にあるため、受注を集中させるのは、好ましくないわけです。

 TOCは、プロジェクトマネジメントを行う上で、非常に重要な考え方です。魔法の杖のように万能なわけではありませんが、この手法を知っていると知っていないでは大違いです。

 僕は20代の頃、典型的な学生症候群でした。僕自身は、背水の陣と呼び換えていましたが。自らを背水の陣に追い込むことで、パフォーマンスが高まる、と考えて仕事をしていました。それは、僕の前後に仕事をする人をボトルネックに追い込んでいることを知らなかったからです。

 30代になって、ザ・ゴールを読む機会に恵まれました。90年代前半です。(古いっ!)おかげで、早く着手するメリットを理解することができ、またマルチタスキングのデメリットを知ることが出来ました。

 ザ・ゴール同様、物語風になっているので面白く、読みやすいですよ。

kumaboo

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コメント

2006/01/25 21:59

弊社ではありませんが、IT業界では、年度末の営業のコミッションの計算方法(年度末に売り上げると、通常より高いコミッションがもらえる)や、首が飛びそうになって、切羽詰った値引きなどで、年度末にならないと売らない営業マンというのが多く出てしまうと聞いたことがあります(爆)。

やまもと
2006/01/26 00:26

大量生産ではなく受注生産型の公共システムでは 期末で安くなるという考えはありません。
但し顧客は,値段を重視します。自社の意思決定もほぼ部分最適で行っています。顧客担当側の意思決定もやはり部分最適でおこなうため製品購入によるメリットより安く購入することを注視します。
自分の経験ではそのように進めたプロジェクトは最終的にうまくいってないようです。出荷までは納期通りですがいざ稼動すると問題が噴出します。
逆にすくないながらも全体最適つまり最終ゴールを顧客担当・メーカー担当とも共有し必要な費用をかけたプロジェクトは稼動後も問題なく顧客・メーカー両方に利益をもたらしています。
ただどちらの担当もあまり評価されません。
なぜなら部分最適の面からみるとかなり無駄なことをしているように見えるからです。
こままでいいのか疑問を感じてしまいます(とある総合電気メーカSE)

2006/01/26 08:55

>きょこさん
年度末の計算方法って、凄いですね。
コミッションを受け取る側は、年度末しか売りたくなくなりますね。(怖

>やまもとさん
コメントありがとうございます。
いずれの場合も、部分最適化を考える人と、全体最適化を考える人では、見る視点が異なりますね。
例えば、最小単位の部分最適化を考えると、とてもじゃないですがプロジェクトマネージャーなどに、お金は支払えません。
どの単位で考えるか、最終決断は顧客なのでしょうか。

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