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応用情報技術者とソフトウェア開発技術者の難易度は?

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応用情報技術者とソフトウェア開発技術者の難易度はどちらが上になるでしょうか。

ソフトウェア開発技術者のおさらい

まずは基本データから見るソフトウェア開発技術者試験の全体像ですが、

  • 合格者は年に1万人
  • 合格率は20% (平成20年度秋のソフトウェア開発技術者試験の合格者が33037人中6225人で18.8%)
  • 合格者の平均年齢は28歳前後
  • 受かる人は中学でも受かる
  • 30代後半から合格者が悪化する

という感じです。特に何の試験だとは言いませんが省庁の担当でない試験の中には金さえ積めばもらえるような資格、反対に言えば合格のために数十万円のセミナーの受講が事実上必須となった資格が多い中で6万人に1万人しか合格しない試験があるとはシブいことするものだと思います。それでは新試験制度の影響を考えてみましょう。

午前1、午前2の分割による影響

新試験制度により、午前試験が2つにわかれます。午前1の試験は共通となり、合格を2年間免除されます。これまでに経緯からするに2年間とは次の3回分と思われます。(現行、SW、AE、PM、ANの合格者はAE、PM、ANの午前試験を免除されるが、例えば2006年秋のAE合格者が午前免除となるのは2007年秋までであり、2009年秋は免除されない。)

これにより、まず午前1を突破して午前2と午後を後回しにするという受験が可能となります。1点集中の体力が不足気味な人、業務多忙でまとまった試験対策ができない人には楽になります。すなわち、若手不利、Not若手有利な傾向になると思われます。

午後試験が統合されて2時間30分の長丁場になることは若手の体力が有利とも考えられますが、日夜数時間に渡る大レビュー会などに親しんでおられる現場の方々におかれましては150分など煙草の1本分くらいにしか感じないものと思われます。

反対に、午前1試験の共通っぽいパートではカルトQとまでいかなくともややマニアックな出題が出ます。マニアックといっても業界の人にとっては常識レベル、学生レベルでも理系(特に情報系)なら知ってて当然、その他の学生は知ってたらすごい、中高生なら知っててオタクというような問題です。記憶に残っているところでは「耐タンパ性」ですかね。これらは現役バリバリで働いている人の得点の源ですので、新制度により若手有利、Not若手不利になる状況となりそうです。

範囲の変更による影響

これは2つのパートに分けて考えます。まずは変更がない分野についてです。現行のソフトウェア開発技術者の試験範囲から変わらない部分について試験の出題傾向が変わってくる可能性が高いです。原因はずばりITパスポート試験です。こちらは今まで対象としなかった層を対象にする試験です。これまでの経験からすると午前試験はあらゆる試験分野で一定の問題数が共有されるようです。DBの試験がソフ開に出たり、その逆もあります。ITパスポート試験の登場により大幅に問題プールが増やされ、そこから払い出される未見の問題が増えるでしょう。また、それらはこれまでと傾向の異なる可能性があります。こればかりは何も予測がつきません。これは業者の問題集も同じと思われます。業界の人が有利な問題が出るか、それともフレッシュな頭で学生が体系的に学んだ教科書的知識が有利となるか、どちらになるでしょうか。変に肩入れするつもりはありませんが、少なくともITECのソフトウェア開発技術者の教科書を5回くらい読めば漏らす分野を最小化できると思います。

そしてもう1点、追加される分野についてです。経営戦略、情報戦略、コンサルティングについての分野がパワーアップしてくるものと考えられます。これはやはり圧倒的に現職でSE的なポジションにいる方が有利になる分野と思います。一方で脱PG(典型的な)を目指すための資格取得という方の場合はつらい条件になるかもしれません。

初年度の影響

上でも書きましたが、過去問プールの大幅な見直しなど初年度ならではの不確定要素があります。これは何年も受験してきている現職の方にとっては萎える要素となりますが、反対に心機一転するきっかけともなるでしょう。また、いざというときの引き出しが広いのは現職でしょうから、学生や新米SEの受験者にとって数回分は厳しい展開が続くものと思われます。

最後に

先日センター試験が終わりましたが、大学受験などいろいろな分野で試験業者による分析が進みすぎる現象が発生していたように思います。情報処理技術者もその例外ではありませんでした。特にソフトウェア開発技術者の試験は過去問題を集中的に暗記することで午前試験が突破しやすい傾向にありました。また、その範囲が広大であることから丸暗記する時間と、柔軟な頭を持つ若い学生の受験者のほうが苦労せずに合格できているように感じることがありました。

そういう自分も分析などしておりますが、今日の私の興味本位の分析レベルなら当たるも八卦当たらぬも八卦の無責任な意見ですし、問題そのものには踏み込んでいないのでセーフかと思います。

今回の試験制度の改革により、合格者像に何らかの変化が出るものと思われます。今回の試験については改革したら改革しっぱなしではなく、改革し、合格者像に変化がおき、その変化が業界にどういったインパクトをもたらしたかを測定できることが望ましいと考えています。これまで合格できる実力はあったけど午前試験がつらすぎて不合格だった人が合格できてよかったね、とか、学生が必死に勉強して在学中に合格してくるから新卒の質が上がり先輩社員への刺激になってよかったね、とかいう話を期待します。

Comment(2)

コメント

あらつき

ソフトウェア開発技術者は20%も合格しませんよ。
平均合格率は13%、2005年までは年1回で第一種情報処理技術者と同じ位でした。
2006年からは年2回になりました。

応用情報技術者は平均合格率23%。
年2回です。
さらに基本情報技術者の合格率上昇のために、トータル的な難易度は下がっています。

問題自体は難化していますが、合格点が75点から60点に下がったこともあり合格はしやすくなっています。

全体的には、第一種情報処理技術者試験と比較しても応用情報技術者試験は年間4倍~5倍の合格率ではないでしょうか?

これらのこともあったのか近年は日商簿記1級と比較される様になりました。

あらつきさん、コメントありがとうございます。
記事を書いた当時に直近の統計であった平成20年のソフトウェア開発技術者試験の合格者が33037人中6225人で18.8%であったところから20%としました。
印象に残るようキリの良い数字を使ったつもりでしたが誤解を招きかねませんので元データを列記させていただきました。ご指摘いただきありがとうございます。
あらつきさんの仰る通り、資格としての難易度が下がっているような印象を私も持っております。その上で、実際に開発の現場で開発に携わるためのハードルも下がっているのではないかと思います。長期には今より一層コンパイラやハードウェアの性能が向上し、システム開発に携わりやすくなるのではないでしょうか。

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