NetBookがビッグブラザーのところへ連れてっていってくれるかも
NetBook、いわゆる5万円ノートPCが好調なようです。
レビュー記事、比較記事を多く見かけたのですが、松岡さんのこちらの記事が心に残りました。
先にも述べた通り、とくに5万円パソコンはもともとインターネットを用途の中心とした製品である。現状では個人向けとして注目を集めているが、クラウドサービスとシームレスにつながるような「浅からぬ関係」になるのは容易に想像できる。ただ、現状として5万円パソコンや中古パソコンに搭載されている Windows XPに対するマイクロソフトの対応など、気になる点はいくつかあるが、それらの条件が整えば、浅からぬ関係が一層進展する可能性は大いにある。
確かにクラウドコンピューティングの普及が進めばクライアントはブラウザレベルの資源があれば事足りることになります。となるとクラウドと親和性の高い5万円パソコンは、その値段の安さから目玉となる他のサービスの部品のひとつとなり、おまけで配布されるような存在になることも考えられます。ではそういった使い方としてはどのようなものがあるでしょうか。
まず私が思いついたのは調査系のサービスです。今はカーナビであればVICSという渋滞情報があり、銀行には窓口の混雑度を表示しているところもあります。こういったサービスはVICSであれば超音波か電波か何かのセンサーを道路に設置したりしていますが、それと同様に街中にNetBookを持った人が1万人くらいいる状態にして、彼らに(できれば何かのついでに)リアルな情報を集めてもらうというのはどうでしょうか。
いくらネットブックが安いとはいえ、何か1つの調査だけで配布できるほどにはコストが低くありません。行動ターゲティング広告で複数社が相乗りするように、何社もでアドネットワークを形成し、ネットブックに調査依頼を配信する形が考えられます。依頼をこなした数だけ報酬を受け取れるような仕組みを整えれば参加者を募る事ができそうです。
同様のサービスとして、ウェザーニュースがゲリラ雷雨の調査隊を募ったことがニュースになりました。これと同様のことができるのではないかと思います。
Web2.0的な考えからすれば、広告を媒介にした企業と参加者の関係というのは少し現金すぎるかもしれません。できれば参加者が自由意志でブログに書いたことがトータルとして見たときに社会全体に有効になっているのが理想的だと思います。
しかし善意に基づく行動だったとしても、時にブロガーの投稿が「監視社会」のビッグブラザー的なものになってしまうことがあります。今でもファミレスの店員の態度の悪さを告発したり、 犯罪告白をしている日記を広めてしまったりということが見かけられます。それはもちろん悪いことをした本人に非があるのですが、あまりに監視が強すぎると息苦しさを感じるというバランスの難しいところでもあります。
NetBookは従来のノートPCよりも取り出しやすく、また今後はW-WANをデフォルト搭載するなどして「Net」Bookの名の通りにインターネットと親和性の高いものになっていくでしょう。そうなれば誰もが常にインターネットから情報を取り出し、また送り出すことができます。新しい道具には副作用がつきものです。上手に付き合っていけると良いなと思いました。