大人になると平気になるもの→電気風呂
子供の頃はダメだったのに大人になると平気になる、むしろ好きになるものがあります。
例えば味覚では、お寿司のわさびですとか、いかの塩辛、かにみそやビターチョコなどがあります。苦味や辛味やきつい塩分などの奥に旨みが隠れているような味は子供が苦手なものが多いです。大人になると(特にお酒を飲むようになると)それがおいしく感じられるようになりますね。
次に思い浮かぶのはマッサージです。肩などはくすぐったくて我慢できませんでした。大学生になっても美容院で肩を揉んでもらうときに声が出るほどくすぐったくて苦手でした。それが最近はなんとも思いません。むしろお金を払ってでも揉んでもらいたいくらいです。
ということを考えるきっかけがありました。先日、所用で大阪に行きました。まとまった時間が空いたのですが特にやる事がなかったので銭湯に行くことにしました。入力料金と貸しタオル代を払って銭湯に入ると大阪の銭湯らしく、やはりアレがありました。そうです。電気風呂です。子供の頃は大嫌いだったアレが、とても気持ち良かったです。満足する一方で、大切な何かを失ったようにも感じました。
電気風呂をご存じないかたのために説明させていただきますと、低周波治療器のようにリズミカルに電気が流れるお風呂です。もちろん裸で入ります。健康なら心臓も悪影響が無いようですが、心臓病の方ご遠慮くださいと書いてあります。入ると筋肉が勝手に動きます。動くといってもビクッ、ビクッ、と1秒おきくらいにちょっと震えるくらいですので、中で身動きが取れなくなるほどではありません。筋肉が伸び縮みする事でマッサージ効果があり、腰痛や肩凝りに効くそうです。確かにお年寄りの方が入っておられる事が多いです。京都や大阪ではよく見かけるのですが、関東では数が少ないようです。名古屋でも珍しくはない程度に普及していたと思います。
そのうちの1つ、小さい頃に住んでいた家から数十メートルという名古屋のとある銭湯には2~3ヶ月に1回ほどのペースで行っていたような記憶があります。子供の頃ですので浴槽の中でもあまりお行儀よくできなくて動き回っていますと、他の事に気をとられて電気風呂ゾーンに行ってしまいビリビリっとなります。痛いのと、筋肉が固まってしまうように感じるのがものすごく怖かった事を覚えています。筋肉が自分の思い通りに動かない=転んだら溺死するという恐怖感も手伝って、電気風呂に対しては大変な苦手意識がありました。
大学生になってから京都の銭湯巡りが趣味の1つとなりました。こちらのサイトなどを参考にして、中京区と下京区の銭湯はだいたい制覇しました。ホームは五条大宮のブックオフの近くにある五香湯でした。この五香湯にも電気風呂があったのですが、大学生になっても電気風呂は痛いだけで全然気持ちよくありませんでした。
ところが先日、大阪の電気風呂に恐る恐る入ってみると……。イタっ気持ち良い!?と、とうとう子供を卒業する事になったようです。お湯で体を温めながら強制的に筋肉を動かして運動する状態にもなるため、普通のお湯よりも体がよく温まるようです。筋肉がほぐれるにしたがって痛い感覚も小さくなって来て、ちょっとニヤニヤしてしまいました。
そういうわけで電気風呂の苦手意識を克服しました。東京方面の銭湯はお湯が熱すぎるので滅多に行かないのですが、近場の銭湯に電気風呂があったら通ってしまいそうです。