エンジェル稼業ほど素敵な商売はない
3年半ほど前('06/11)、高広伯彦さん( @mediologic )の誘いで、グロービスのセミナーでスピーカーを一緒にやらせていただいたことがあります。
その授業でニアミスしたのが、当時、産業再生機構下にあったカネボウ化粧品の代表取締役社長を務められていた知識賢治さんでした。「割り切らない強靭な精神力」「1ミリ単位のバランス感覚」・・・ご経験から導かれた力強い講演には感動しました。
それ以来、知識さんの動向には目を奪われていたのですが、先日テイクアンドギヴ・ニーズの社長に就任されるというニュースを見てびっくり。素晴らしい!ぜひご手腕を発揮されてほしいと思っています。
こちらのT&Gニーズ、僕は創業間もない時期から上場直後まで、個人株主(いわゆるエンジェル)でした。
懇意にさせていただいていた公認会計士平田毅彦さんが監査役をお勤めになるという案件だったので即決でした。まぁ投資額自体は500万程度だったのですが、まだ一店舗しか直営店がないタイミングでの投資だったので、けっこうリスクが大きい感じでした。
はじめて逢った当初(当時は26才!)から社長の野尻佳孝さんはワイルドな印象(恐らく今も)な一方、非常に誠実なオーラを感じました。
新体制が、順調に進展していくことを確信しています。陰ながら応援しております!。
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僕自身はこのようなパターンで、97年~03年の6年間ちょいで30社超の上場を目標とするスタートアップベンチャーに個人の資本でエンジェル投資してきました。積算すると投資額は累積3億円弱位かな。
そのほとんど総てが、当時小生が経営していた日広(現NIKKO)の創業間もないベンチャーお取引先(80%はお得意先、たまに仕入先)でした。
ビットバレー=ベンチャー投資バブル(97-00)の頃は、毎週のようにSBIや光通信、住友商事、トランスコスモス、金融機関系VCなどから出資を受けた、あるいは受けたい ネット系(笑)会社のシャチョーさんから、事業計画の説明を受けてましたねぇ。300社以上あったでしょう。
(それにしてもアフォ事業多かったナァ)
もちろん第一義は広告の商売のお得意先あるいは仕入先としての目利きです。ま~ぁ実に多くの社長さんとお逢いしましたねぇ。コレがまた愉しいんですよ。エンジェル稼業ほど素敵&夢/意義のある商売はない!と思います。(ちなみに・・今もやってます。天職じゃないかと思うこともまま有り)
実際のところ、個人で投資したお金は、日広を通じた広告費用として回遊していきました。ていうかネットorモバイルのベンチャーへの投資を通じて、広告のお得意先を確保していました。とはいえ売上の85%~80%は媒体の仕入原価ですから、突っ込んだ資本は15%程度しかフローでは会社としても回収できませんでしたけどね。
そして結果として・・そのうち8社はT&Gニーズのように見事に株式上場を果たしました。後から考えれば7億くらいにはなっています。もちろん当時はエンジェル税制もなかったですから・・・毎年がっつり納税してあんまり残りませんでしたねぇ。
さておき、多くのスタートアップ企業の立ち上げ時に出資を重ねてきたことは、僕の半生の大きな金字塔になっています。また投資先だったオリコン(現・オリコンエンタテインメント)やディジットブレーン(ディジット上場後、ブレーンドットコムと合併)の上場後には取締役に選任いただき、貴重な経験もさせていただきました。
僕のネットバブル時代の未上場企業への投資実績のなかで、投資後に株式上場を果たした会社だけを、今回は備忘録としてここに記載しておきます。(投資した各社の上場前の目論見書は大切な勲章として保管しています)
<個人名義での出資>
・インターキュー株式会社 (現・GMOインターネット 9449)
1999年8月 ジャスダックに上場 現・東証一部
・株式会社ディジット (後にSBIホールディングスに吸収合併)
2000年9月 ナスダックジャパンに上場
・株式会社おりこんダイレクトデジタル (現・オリコン 4800)
2000年11月 ナスダック・ジャパンに上場 現・ヘラクレス
・株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ (4331)
2001年12月 ナスダック・ジャパンに上場 現・東証一部
・株式会社ディー・エヌ・エー (2432)
2005年2月 東証マザーズに上場 現・東証一部
※ 99年末、ご出資した際のプレスリリースをUPしました!
・株式会社ザッパラス (3770)
2005年5月 東証マザーズに上場 現・東証一部
<匿名組合通じて&個人会社での出資>
・株式会社まぐクリック (現・GMOアドパートナーズ 4784)
2000年9月 ナスダック・ジャパン上場 現ヘラクレス
・株式会社デジタルアーツ (2326)
2002年9月 ナスダックジャパン上場 現ヘラクレス
ウラを返せば20社以上は上場できなかったわけです。そのほとんどは出資2年以内に終わりました。・・もちろんこないだ民事再生となったゴマブックス(頑張れ)やbbmfなど(期待!)まだこれから再起図れる会社も数社残っていますよ!。しかしながら上場出来なかった会社の社長さんたちは消息不明になった方が大半。そのへんが日本のベンチャーマーケットのつまらないところですね。
中には今をときめくコカ・コーラの江端浩人さんのように、僕が出資させてもらった会社では夢破れ売却、という結果になった後に、ご本人も&オーナーチェンジ後の事業(デジプリ。現在はプラザクリエイト傘下)も 大活躍!されてる例もありますよ。
とってもいいことだと思います。かねてより日本はもっとそういうベンチャーが生まれ易く、再起できる社会にならないと駄目だと思っているからです。