PL(損益計算書)黒字教との戦い-その2
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こんにちは、To be Managementの山方です。
PL黒字教信者との戦いが始まります。
「それはできないよ。赤字になっちゃうよ。税理士の先生も大丈夫と言っているのだから余計なこと言わないでよ!」
戦いのゴングがなりました。
信者の方は、世の中の全てが同じ教義を信仰していると思っているので、やっかいです。
公共工事に入札する建設業など「黒字」が入札の条件に入っているので致し方ないと思います。
しかし、黒字が必須ではない企業で無理やり黒字にして納税に困っているようでは本末転倒です。
この点を指摘すると、第二弾がやってきます。
まだジャブの段階です。
「銀行さんに赤字とは言えないからさ。まぁ資金繰りを円滑にする銀行対策だよ」
ここから攻守を変えて本格的に応酬を開始します。
「銀行からの借り入れがうまくいかず、資金繰りが厳しくなったのでコンサルを使うことを決断したのではないの?」、と厳しく詰め寄ります。
ただし、心の中なので、相手には伝わりませんが・・・
相手に伝わらない応酬では意味がないので、軽くジャブを打ってみます。
「銀行は、この決算書を額面通り受け取っていると思いますか?」
多少効き目があるのか、社長が若干驚いた顔をします(とても驚く人もいます)。
そして、訝しげな顔で3弾目を打ってきます。
「比率計算などの分析はするけど、数字は決算書の数字を使うのだろう?」
残念ながら半分は正解ですが、重要な後半部分については間違い(認識不足)です。
ここがチャンスなので全力で社長に向かっていきます。
「社長!比率や回転率の算出は、会社の収益性を見るだけでないのです。つじつまの合わない箇所を探し、決算書を実態に合わせた数値に直すために行われるのです。」
更に続け、
「銀行は、貸借対照表に載っている資産は実態に合わせて修正しています。銀行がどんな修正をするか、今やってみましょう!とりあえず決算書を5年分見せてください。」
決算書を社長との間にはさみ、質問を始めます。
「この貸付金はずっと計上されていますが、いつから誰に貸しているのですか?利払いや返済はちゃんとされているのですか?」
「商品は、何カ月ぐらいで売れなくなるのですか?えっ、2か月?在庫は月商の6カ月分ありますが・・」
「売掛金の締めと回収条件は?末締め翌月払いですか?かなり長い期間の売掛がありますが・・・。」
などなどを確認して、PLとBSを修正していきます。
PLは黒字から赤字へ転落しました。
BSはかろうじて純資産がプラスになりましたが、債務超過へあと一歩のところへ迫っていました。
修正後のPLは赤字となり、BSも債務超過あと一歩の数値を見ると、
「銀行はこのように見ているのか?」
と独り言のように言われます。
こちらは、「はい」としか言いようがありません。
社長は、残念ながら3つのことについて認識不足でした。
(1) 決算書は使う立場によって見方が異なる
(2) 決算書は作成者の意図が反映され作成される
(3) 資産は利益につながる、現金化されるもの以外に価値がない
税理士さんや税務署は、申告を正しく行う(税理士さんは、合法的な範囲で納税額を抑えることが目的?)ことを目的として決算書を作成します。
一方銀行は、融資を返済してもらえる可能性を探るために決算書を分析します。
そのため、税務署は納税する企業の費用や損をなるべく認めないスタンスにあります。
銀行は融資先企業の費用や損をできるだけ計上して決算をみるスタンスにあります。
上場していない中小企業の決算書は、"作る立場と見る立場"のかい離が大きいのです。
次回は、PL黒字教からの脱会です。
PL黒字教信者との戦いが始まります。
「それはできないよ。赤字になっちゃうよ。税理士の先生も大丈夫と言っているのだから余計なこと言わないでよ!」
戦いのゴングがなりました。
信者の方は、世の中の全てが同じ教義を信仰していると思っているので、やっかいです。
公共工事に入札する建設業など「黒字」が入札の条件に入っているので致し方ないと思います。
しかし、黒字が必須ではない企業で無理やり黒字にして納税に困っているようでは本末転倒です。
この点を指摘すると、第二弾がやってきます。
まだジャブの段階です。
「銀行さんに赤字とは言えないからさ。まぁ資金繰りを円滑にする銀行対策だよ」
ここから攻守を変えて本格的に応酬を開始します。
「銀行からの借り入れがうまくいかず、資金繰りが厳しくなったのでコンサルを使うことを決断したのではないの?」、と厳しく詰め寄ります。
ただし、心の中なので、相手には伝わりませんが・・・
相手に伝わらない応酬では意味がないので、軽くジャブを打ってみます。
「銀行は、この決算書を額面通り受け取っていると思いますか?」
多少効き目があるのか、社長が若干驚いた顔をします(とても驚く人もいます)。
そして、訝しげな顔で3弾目を打ってきます。
「比率計算などの分析はするけど、数字は決算書の数字を使うのだろう?」
残念ながら半分は正解ですが、重要な後半部分については間違い(認識不足)です。
ここがチャンスなので全力で社長に向かっていきます。
「社長!比率や回転率の算出は、会社の収益性を見るだけでないのです。つじつまの合わない箇所を探し、決算書を実態に合わせた数値に直すために行われるのです。」
更に続け、
「銀行は、貸借対照表に載っている資産は実態に合わせて修正しています。銀行がどんな修正をするか、今やってみましょう!とりあえず決算書を5年分見せてください。」
決算書を社長との間にはさみ、質問を始めます。
「この貸付金はずっと計上されていますが、いつから誰に貸しているのですか?利払いや返済はちゃんとされているのですか?」
「商品は、何カ月ぐらいで売れなくなるのですか?えっ、2か月?在庫は月商の6カ月分ありますが・・」
「売掛金の締めと回収条件は?末締め翌月払いですか?かなり長い期間の売掛がありますが・・・。」
などなどを確認して、PLとBSを修正していきます。
PLは黒字から赤字へ転落しました。
BSはかろうじて純資産がプラスになりましたが、債務超過へあと一歩のところへ迫っていました。
修正後のPLは赤字となり、BSも債務超過あと一歩の数値を見ると、
「銀行はこのように見ているのか?」
と独り言のように言われます。
こちらは、「はい」としか言いようがありません。
社長は、残念ながら3つのことについて認識不足でした。
(1) 決算書は使う立場によって見方が異なる
(2) 決算書は作成者の意図が反映され作成される
(3) 資産は利益につながる、現金化されるもの以外に価値がない
税理士さんや税務署は、申告を正しく行う(税理士さんは、合法的な範囲で納税額を抑えることが目的?)ことを目的として決算書を作成します。
一方銀行は、融資を返済してもらえる可能性を探るために決算書を分析します。
そのため、税務署は納税する企業の費用や損をなるべく認めないスタンスにあります。
銀行は融資先企業の費用や損をできるだけ計上して決算をみるスタンスにあります。
上場していない中小企業の決算書は、"作る立場と見る立場"のかい離が大きいのです。
次回は、PL黒字教からの脱会です。
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