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日頃、仕事で書類やファイルに触れているのに、いざとなったら書類が出て来ない。日頃からファイリングしていれば困らないのに、やり方が分からない。そもそも、時間ももったい無い。「まあ、何とかなるさ」と言って日々を過ごしているアナタ、そろそろヤバくないですか?このブログでは、かんたんに分かり易くファイリングを解説します。便利なファイルや文具の紹介から、使いこなし術、コンサルタントだからこそ知っている事例などをエントリーして行きます。

情報ライフサイクル別の管理方法「つくる」

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ブログのエントリーが半年以上も停滞していました。
実は、担当業務が二重になり、新しい仕事に慣れるのに相当手こずっていました。
まだうまくこなせてはいませんが、さすがにここまで何も更新しないと読者の方々に申し訳ない気持ちを抱えきれなくなってきましたので、何とか区切りをつけて今後も更新していきたいと思います。
これまでに、キングジムファイリング研究室の野原君が様々なネタでブログ更新していますので、私は管理者向けにファイル管理の重要性をお伝えしていこうと思います。

それでは、前回予告していました文書情報ライフサイクルのうち「つくる」について述べたいと思います。

■そんな事より稼いでこい
文書整理をしていると、『ファイリングなんかしてないで、外回りして稼いでこい。金になる事を優先してやれ』と言われる事がよくあります。
現場の皆さんは、そんな叱咤をされつつ、次の仕事に取りかからなければならないために、今終わった仕事の書類を片付ける事なんか後回しにします。
その一方で、
我々ファイリングコンサルタントに相談にこられる方は、そんな管理職の文書管理に対する認識不足に悩んでいる方が結構いらっしゃいます。
「上司に先日提出した重要な書類が、今になって無いと騒いでいる」
「私の上司の文書管理を指導してくれないか」
「管理職の机の上は書類が山積みにもかかわらず、書類の整理整頓や情報セキュリティを要求してくるので困っている」
と言った内容です。
このような理不尽な職場環境を生み出さないためにも管理職の文書管理に対する意識改革、情報環境整備が必要でしょう。


■稼ぐために文書を「つくる」ところからはじめる
稼げる文書管理のために、文書は作成段階から後々困らないようにする工夫が必要なのです。
そうする事で文書管理にかかる時間を節約し、稼げる(収益をあげる)仕事をするための時間を捻出するのです。

■文書や記録を作成するのは大胆に、かつ、慎重に
何か事を起こす時(仕事に取り掛かる時)、文章や記録をとっておく事が大事だと思って記録を開始する人は少ないと思います。
多くの人は、行動の結果として残った文書や記録を整理保管しているのではないでしょうか。
その結果、整理する時間や手間を惜しんで仕事を追いかけ、あるいは、追われてしまったために、未整理の書類や記録の山にため息をつく。
まず、整理整頓やファイリングが苦手な人にとって大事なのは、"自分の今の行動には記録保管が必要かどうか判断すること"だ。

しかし、そんなことが出来るなら苦労はしないと言う言葉が聞こえてきそうです。
もちろんそうでしょう。次に何をするべきか、何を記録するべきか、それを当然のように判断することが出来る人を私は尊敬します。
そんな判断が出来ない人のために、記録を残すべきかどうかを判断するためのヒントを提示してみたいと思います。

ヒント:
今から作る書類は、
 私的なメモなのか、業務に関わる文書なのか
 それは仕掛かりのまま終わるのか、組織で共有されるのか
 それは電子的に作って電子的に保存されるのか、紙に書いて紙のまま保存するのか

業務に関わる文書の場合、
大概の組織行動には、文書記録が必要になるので、
いつ、誰が、どこで、どの様な内容の行動(発言)を、どの様な理由で行ったのかがわかるようにする必要がある
ということです。
仕事の成果や正当性を説明するためには、証拠となる文書や記録が必要なのです。

でも、そのために仕事に取りかかかる事を躊躇してしまっては折角の人生の貴重な時間が無駄になってしまいます。
躊躇せず、大胆に仕事を行い、かつ、慎重に記録や文書を残せるようにオフィスワークをこなしたいものですね。

また、管理者は何を記録し、保存しなければならないのか指針や規定を示す必要があります。
営業部門の管理者であれば、報告書や商法上保存義務のある証憑類
研究部門であれば、研究成果のアイデアメモや報告書、
技術部門であれば、開発要件定義書、設計書や仕様書などISO規格などで定められたものなど。


■文書を「つくる」工程は3つある
この事はドキュメンテーションとも呼ばれる分野です。
むやみやたらに文書作成するのではなく、まず業務を整理してその業務遂行上、本当に必要な文書を「つくる」ようにしましょう。
1.企画:目的や読み手を想定、表やグラフなどの表現方法を決め、バージョン改訂などの管理運用方針を決める
2.設計:構成や章立てを考え
3.作成:参考資料の入手、どのアプリを使って、どのように制作進行するのか、納期を守る

■つくるための下ごしらえ=企画
「躊躇せず、大胆に仕事を行い、かつ、慎重に記録や文書を残す」ためには、下ごしらえが必要です。

さて、ファイリングする上で、文書を「つくる」時に注意すべき事は、

◇文書を「つくる」目的をハッキリさせる。
◇目的に関係の無い文書は作らない、残さない。

の2点です。

無駄な文書が多いのはスペース容量と検索効率の妨げとなるだけです。
無駄に多い文書は結局ファイリングの効率を下げる事になるのです。
業務効率的にも悪影響をもたらす要因になります。



■「つくる」ための下ごしらえ=入れ物の用意
文書を作ったら即、行動に移せるように、予めフォルダ(入れ物)を用意しておきます。
これは、紙でも電子でも同じです。
業務目的にそったフォルダがあれば、文書を作ったらそのフォルダに保管(電子文書なら保存)します。
ここでのポイントは業務目的にそったフォルダを作るという事です。
もし、業務目的にそったフォルダというものが、どのようなものかわからない場合にはフォルダのタイトルを仮に記入しておきます。
具体的なノウハウは、別途ご紹介していきたいと思います。(拙著『ファイリング&整理術』p.42に記述があります)

また、作成するために参考資料として集めたものは一時的に参考資料のフォルダに保管します。

■おすすめの入れ物
作りかけの紙文書を保管するおすすめツールはフォルダーまたはホルダーです。
一時的な書類の保管や様々なテーマ毎に寄せ集めて編集が可能です。

作りかけの電子文書を保管するおすすめ方法は、一時保管フォルダー
アプリによって保管場所が指定されている場合がありまとめられない場合もあるので注意です。

※おすすめの入れ物については、後日公開する予定の「つかう」で述べたいと思います。

■アプリをまとめる、増やさない、吟味する(実践が必要)
また、文書作成アプリの多さが無駄な文書を生むことになります。
ワード、エクセル、パワーポイント、様々なアプリケーションが文書を作成し保存されていきます。
これらのアプリを駆使して文書作成しますが、残すファイル形式は1つに絞る事が理想だと私は思っています。
しかし、現時点でうまく一つに絞り込む事が出来るファイル形式を私は知りません。
PDFは理想に近いですが、ファイルを再利用して別の内容の新しいファイルを作成することは難しいようです。
いいものがあったら、ぜひ、お教えください。

■ファイル名称の命名ルール
これは、予め決めておいた方がよいですね。
できれば、グループ内で決めておくのが理想です。
無理なら個人ルールでOKですが、共有するときはルールに従った保存方法にしましょう。

『作る時の勢い、気持ちが大切、後先考えずに作ってしまおう、整理方法はその後だ』こんな時もあるでしょう。
でも、後でやろうが後悔を生む。→だから一旦は勢いで作成するのも結構ですが、「仕舞いをするときの儀式」が必要です。ルールに従った保存場所や命名ルールを選択すると楽に長続きしますよ。


■「つくる」のまとめ
・文書作成の企画が大事。
・業務遂行のためにつくる。それ以外は作らない、残さない。
・目的にそった入れ物を予め用意する。
(管理者は)
・運用方針や文書管理規定に合っているかチェックする。



では、次回お会いしましょう。


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