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Yagishita's alternative blog

ITmedia Executive 座談会に参加しました

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今週の木曜日、ITmedia Executive さんで実施された「IT マネージャーによる覆面座談会」に出席する機会をいただきました。普段、お話をうかがうことができない方々によるメッセージは、予定の2時間を超えるもので有益な時間を過ごすことができました。関係者のみなさん、お誘いいただきしてありがとうございます。座談会でうかがったメッセージを自分なりに整理してみたいと思います (後日、記事が掲載されるということなので、詳細はそちらを。)

金をうまないシステムには金をかけない

強く印象に残ったメッセージの一つがこれです。出席者の一人が「ある経営者が IT に期待していること」としていわれた言葉です。厳しい企業の現状であっても、投資をやめることができない IT に対する明確な期待ですね。

ご存知のように IT には、「売上をのばす」面と「ムリ・ムダ・ムラを削減する」面があります。ある出席者の企業では、「企業の収益に直結するものにはしっかり投資する。その半面、メールについてはクラウドサービスを採用している。」とのことでした。様々な提案の際には、「どんな効果をだすことができるのか」「企業の収益にどうつながるのか」ということを、今まで以上に強く意識しなければいけないといえそうです。

実際に出席者の方々は、「効果をだす」ために、以下の視点をお持ちとのことです。

  • 今日・明日・未来という3つの時間軸で考える
  • 期待価値を超えることを考える
  • 表層的な効率を追求するのではなく本質を捉まえる

自分なりに理解してみるために、コマースサイトを例に、今日・明日・未来という3つの時間軸で、実現したい目標を考えてみました。

  • 今日: いかにして迷わせないで欲しい商品にたどりつけるようにするか、いかにして一人でも多く購入していただけるか
  • 明日: いかにして一回でも多く購入していただけるか
  • 未来: いかにして新しいユーザー体験を提供するか

最近、寒さにかまけて自転車にのっていないせいか、体型に大きな変化がないこともあり、大きいサイズを取り揃えているサイトで購入しています。そのサイトでは、アウター、ボトムスといったカテゴリを最初に選択させます。その後に、写真をみて気に入った商品のページに移動してからサイズを選択します。はじめてサイトに訪れる方にはこの流れでもよいでしょう。しかし、リピーターであれば、過去の購入履歴から、現在購入可能なサイズや好みの色で絞り込む処理を、最初にしてくれた方がうれしいかもしれません。少なくとも私はそうです。

このように、商品を中心にコマースサイトを考えるのではなく、人を中心に考えることで、サイト訪問者が期待している価値を超える操作性や提案ができるかもしれません。また、これを実現するためのツールの一つとしてビッグデータを扱うのもありかもしれません。

ビッグデータに対して懐疑的な方がいらっしゃいます。個人的には私もその傾向が強いです。というのも、少し前までは DWH だ、ERP だと導入していても、使いこなせている企業がどれだけあるのかと疑念があるからです。最近のクラウドやビッグデータについても同様にならないという保証はどこにもありません。

私が、元ロータスの社員であったということから、出席者の中より「Notes を導入しているし、今も使っているけど...」というお話をうかがいました。企業のミッション遂行するために何を変えるのか、なぜ変えるのかといったことを、共通認識としてできないのかもしれません。SI などの IT 企業以外にとって、IT 部門の現状を垣間見るような気がしました。企業の IT 部門は、その企業の経営に影響を大きく与えるわけですから、もっと胸をはってもよいかもしれませんし、キャリア形成の一つに IT 部門への異動もありかもしれませんね。

最期に、貴重な経験をさせていただいた ITmedia のみなさん、出席者のみなさんありがとうございました。製品を提供する側として、うかがった内容をうまく使っていきたいと思います。本当にありがとうございました。

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