成長の過渡期ではオペレーションの改善が必須
会社経営のスタイルにもいろいろあると思いますが、成熟した組織にはそれなりの良さがありますし、その一方でできたての会社の乱雑でルールが整備されないながら勢いのあるオペレーションも魅力だと思います。会社は人間と同じで成熟していく過程がありますので、子供のびっくりするような発想や行動、そしてパワーのように会社自体がエネルギーを発している時期もありますし、その一方で規模が一定以上になり事業が安定していくことにより、会社自体も成熟していき安定したオペレーションが必然的に構築される時期もあります。
問題を抱えている企業は、殆どがその中間で、成長はしているものの、オペレーションの成熟がついていかない、人間で言えば子供では無いが社会に出る前の時期にあたる企業が多いと感じます。
ある意味では頭でっかちになり、企業のプロセスやルールにこだわり、「何のために」というよりも「どうやって」を模索することで、手段が目的となってしまうケースが多いのもこの時期の企業の特徴です。また、その一方で大事なこと、つまり社会的に信用を得るための企業内の管理、対外的な行動の統制を後回しにしてしまうという特徴もあると思います。
すべての企業がそうであるとは思いませんが、小規模からスタートして、大きく成長していく企業にありがちな過渡期だと思います。
経営のプロという言葉でくくりたくはありませんが、経営のプロの手を入れる必要がありつつも、すでにある程度の人員を抱え、急激な動きも取れないという状況にも直面し、経営者も自らの力の至らない部分を理解しつつも、対応を行えないというジレンマにも突き当たっていることが多いと思います。特にオペレーション面での経営のプロは必要なのですが、なかなかその部分に手を加えられないという状況でしょうか。
その結果、オペレーション現場の人が、大事なオペレーション設計を行ってしまい、取り返しのつかないような会社の弱体化を生む可能性があります。具体的には、個別の領域での限られた知識で最適化を行う、会社としての大事なチェック機能を実装できない、また自らの仕事の範囲で必要な工数やお金を要求し経営全般でオペレーションにかける投資の概念とかけ離れた実装を行う、という弊害が生まれます。
成長過渡期の企業では、経営者がオペレーションに弱いこともあり、オペレーション現場の学級委員会的な発想に引きづられ、または黙認、放置をしてしまいがちです。最近出版されている本でも、普通の業務での単純作業でのエラーが会社に致命傷を与える実例を書いたものが多く出版され始めていますが、いまこそ成長過渡期の企業では、オペレ-ションに関して見直しとてこ入れを行うときではないでしょうか。