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寿司を取り巻く世界もなかなか複雑なようで

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子供の好きな食べ物といえば、「お寿司」。年代にもよると思いますが、私達の年代が子供のころはちょうど過渡期で、「お寿司=高い=めったに食べることのできない物」という感覚から、回転寿司や持ち帰り寿司が台頭し始めて、「普通の外食」や「簡易な持ち帰りもの」という感覚が混合し始めた時代です。そのためか、今だにきちんとした門構えのお寿司屋さんに入る際には居住まいを直してしまいますし、ハレの日の食事というと寿司という感覚が強く残っています。

さて、今回読んだ「スシエコノミー」という本ですが、外国人が真面目に調べて、真面目に書いたお寿司に関するドキュメンタリーというのが素直な感想です。日本人でも知らないことを丁寧に調べ上げ、文献や実際に板場を見学したりしたのでしょうか、日本国内の寿司店、寿司業界のお話も、なかなか細かく書かれています。また、フィールド調査の賜物でもあるのは、海外における寿司事情、それもただ単に「こんなものが流行っている」ということではなく、海外のお店がどのようにして経営を行っていて、どのように職人さんを採用、育成しているか、モデル店での調査で綿密に記述しています。また同様に海外で大成した職人さんに関しても、その経緯や考えなどをヒアリングして、克明に記述しています。

そういった意味で、海外で発刊されているドキュメンタリーにおける調査・分析の綿密さは驚くべきものがあります。日本の場合には、国内はともかく海外の話になると、通り一遍の調査や二次資料の活用を行っているものが多いですが、海外の場合には調査研究への補助なのか、そもそも出版に対するファンド型の投資であるのかわかりませんが、十分な予備調査を行うだけの体制が整っていることを感じさせます(もしかしたら完全に自費での調査かもしれませんが)。

また、同時に寿司だけでなく、食材に関する調査も綿密です。特にほんの中ではマグロに関して中心に記載されていますが、外国のマグロを冷凍空輸する仕組みづくりの苦労、マグロのセリの進め方、品質の見分け方、仲卸業者の活動など、日本人も知っているようで知らない様々なことを伝えてくれています。そういった意味でも文化人類学的調査の意味をもつ内容を備えていると思います。

お寿司好きの方も、ちょっと雑学をため込みたい方も、ぜひ目を通してみてください。

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