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コンサルティング業界への転職、事業会社への転職

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コンサルティング業界と言っても幅広い世界です。システム・コンサルテーションもあればビジネス・コンサルテーションもありますし、ハードやソフトのメーカにもコンサルテーションを手がける部門があります。狭義のコンサルティング業界とは、コンサルテーションのみで成り立っている会社であり、そのような会社は実は少ないと思います。通常は、規模を大きくするために、コンサルテーションにプラスしてシステム開発やら、業務代行いわゆるアウトソーシングなどを手がける会社が多いと思います。

ここではこの狭義のコンサルティング業界へ転職すること、コンサルティング業界から転職すること、そしてコンサルティング業界内で転職することについて考えてみたいと思います。

最近では、新卒の間でも(何の勘違いかはわかりませんが)コンサルティング業界は人気のようです。従って一部新卒でコンサルティング業界に入る人もいますが、その数は相対的に少ないと思います。圧倒的に多いパターンは、いわゆる事業会社からコンサルティング業界への転職です。

多くの人と会ってきましたが、中途でコンサルティング業界に転職した殆どの人が口にすることは、「やり方を理解するまで時間がかかった」、「初めは非常に辛かった」ということです。事業会社と違い、チームプレーのようでありながらも最終的には個人の力が試されますし、経験を積むまで頭で理解していてもコンサルティング手法と言うものに対して慣れがありませんので、時間や試行錯誤が続きます。そんなときに力になることは、やはり事業会社での経験、それもある分野でものすごく高い専門性をもっていたり、現場の動きを的確に理解・把握できていることなど、生半可な知識ではあまり役に立ちません。自らの知識や経験を切り売りしながら、やり方に慣れ、力を蓄えていく、この数ヶ月から1年ぐらいかかる期間が、転職者には一番厳しいところだと思います。

また、逆にコンサルティング会社から事業会社に転職をする場合には、事業会社の暗黙のルール、組織内の力学を利用した立ち回り、完全性よりもスピードを重視する理屈の立て方に戸惑う人が多いようです。コンサルティング会社での仕事もスピード感はありますし、負荷は大きいものですが、事業会社での立ち回りはコンサルティング会社ほどの綿密な作業以前に、全体調整を行いながら結論に導いていく作業が多くなりますので、理屈や資料だけでなくマネージメントとしての能力など、コンサルティング会社であまり身に付かないスキルが必要とされます。そのため、このパターンでも、数ヶ月から1年は辛い期間になると思います。その結果、コンサルティング会社⇒事業会社⇒コンサルティング会社という転職を行う人も多いようです。

個人的には、コンサルティング業界にどっぷりはまってしまうのであれば、コンサルティング業界内での転職が一番よいのではと感じています。事業会社とコンサルティング会社の間を行き来でき、かつ結果を残せるパターンは、どちらの会社でもマネージメントとしてある程度の結果を残せるだけの力量が身についている場合のみだと感じています。

そのように考えると、似て非なる事業会社とコンサルティング会社の間で転職を行うには、やはり所属している会社で、それなりに経験を積み、力量を磨いておくことが必要なのではと思います。

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