「SEからコンサルタントになる方法」を読んで
先日AlternativeBLOGのブロガーでもあり、以前からの知り合いで、前職が一緒の北添さんのところにお邪魔させていただき、入手しようと思いつつも時間の都合で購入していなかった北添さんの著書「SEからコンサルタントになる方法」を頂戴しました。時間の合間で一気に読めましたので感想がてら、様々な考えが浮かびましたので、つらつらと書いてみたいと思います。
北添さんはコンサルティング会社一筋の人で、かつ”超”優秀な方ですので、基本もしっかりされていますし、何よりも困難な状況への対応力、そしてチームをまとめていく力、そしてクライアントへの接し方等に関してもすばらしいものをお持ちです。この本を読むと、それらの広く深い行動の源泉はいたってシンプルな考え(信念)のもとで築き上げられたものだということがよくわかります。世間一般のいわゆるコンサルタントを語る本や、リーダーシップを語る本よりも、複雑さを排除して根本の部分にフォーカスされていますので、読む側にもコンサルタントがどのような思考ルールや行動ルールを持って活動しているのか、そして俗にSEやその他コンサルタント以外の職業の方と、どの部分が異なっているかよく理解できると思います。この明快さも、コンサルタントとしての経験によるものだと思います。
私自身も、厳密に言えば「SE(⇒マーケティング)⇒コンサルタント」というキャリアをたどっていますので、いわゆるSEという職種・職業からみたときに理解が難しいコンサルタントの思考や行動特性を外から見て、実際にやってみて初めて解った部分もあります。著書の中でかかれているコンサルタントとしての必要能力・考え方は、SEの時にはまったく理解していませんでしたので、これからSEからコンサルタントになろうとされている方、それといわゆるコンサルティング営業を志しているかたには目を通すことをお勧めします。
一方で、「内容が明快である」ため「すべてを実際にやり、力として定着する」にはかなりの時間を要するものだと思います。できるところから実践してみることで、少しずつ一流のコンサルタントになれるのではと思います(私自身も勉強しようと思います)。
北添さんの本のように、職種を発展的に変えていくための貴重なアドバイス、つまり何が欠けているのか、何をしないといけないのか、ということを説明した本は少なく、殆どの本がその職業の特性を述べただけで差分を自ら見つけることを前提にしていますので、限られた世界ですが、システムに携わる人たちが、上流工程さらにはコンサルタントとして成功していくことへの強力な後押しになると思います。
(個人的には、”SEから”だけでなく、”どんな職業から”にでも通じる部分が多い本だと思います)