「自分が正しい」と思いこむことで「良識を失う」なかれ
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ビジネスでは自らが守らなくてはならないものがたくさんあります。例えば会社の中では自分の立場であったり、会社間では自社の立場であったり、さらには自らの地位や自社の利益と言ったどちらかと言えば利己的なものもあります。交渉や打合せの場で、すべての立場の人が自らの守らなくてはならないものを守ることができるように、すべて円満に調整することは困難きわまります。
駆け引きを行い、妥協点を見出していく、プラス型の調整が働けば、最終的な落としどころへ到達するスピードも速まりますし、生産的な解決を行えると思います。しかし、その一方で、交渉の場に、自らの利益を守ることが本来の目的であったにも関わらず、どこかで冷静さを失い「自分の主張が(絶対に)正しい」という誤解を持った人が現れた瞬間に、議論も交渉も最悪の過程をたどります。「自らの意見が正しい」ということを前提にして、それに対する反論を冷静に分析することが不可能になり、最終的に良識すらなくなってしまうことが殆どだからです。
このような状態に陥ると、当事者は「自らが正しいと考えている意見」に対して逆の意見をのべつ当事者を攻撃することだけに終始し始めます。その結果、議論は空転するだけでなく、最終的には「ありえない妥協」に至って様々な人が被害を被ることもあります。
交渉、打合せなどで自らが責任を負っている人であれば、
- 自らの意見が”絶対に”正しいことはありえないこと
- 「意見を通すこと=守らなくてはならないものを守ること」とはならないこと
- 固執することで、無駄な時間を費やす可能性が高いこと
- 良識を失うことで、人格も否定される可能性があること
を肝に銘じて、常に相手の意見を冷静に聞くことを心がけることが重要だと思います。このことが理解できないということは、そもそも会社や組織を代表する資格はないわけですし、それ以上にリーダーとしては大成できないことになります。
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