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気付かせることの難しさ

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経験や知識を身に付かせるための最適な方法は、”自らの努力で気付く”ことだと思います。他人に答えを教えてもらったこと、自ら考えずに結果だけを達成した場合には、知識や経験も表層的になりますし、何よりも応用力が身に付かなくなります。

その場を切り抜けたこと、結果を出すことができたことで満足してしまい、知識が身に付いたと考えてしまうことや、本当の意味で”経験”をしていないにも関わらず、経験したと勘違いをしてしまい、自らを過信してしまうケースは多くあります。特にそのような場合には、次の機会にも通り一遍の知識と経験の再利用となり、決して目的に向かって最適な方法であったり、求められるパフォーマンスやよりよい結果を生み出すことが出来ずに、終了してしまいます。この場合には、与えられた機会でも結果を出せたと勘違いして、知識や経験を身に着けることなく、表層的な理解での悪循環を起こします。

このような状態を避けるためには、上司や先輩などの技量が問われます。そして、答えを与えないだけでなく、我慢強く待つことも重要になります(私にはこれが出来ないのですが・・・)。もちろん、答えを与えずにほっておくだけでなく、袋小路に陥らないようにアドバイスやヒントを与えることは重要です。

また同時に、より良い結果を求めて、また自らを成長させる本人の意思も重要になります。”自らの努力で気付く”ためには、上司や先輩だけでなく、試行錯誤を繰り返し、考えに考え、無駄に思える作業や思考を繰り返すという、本人にとっても厳しい試練を経る必要があります。

そのようなマインドを持たせること、そして、”自らの努力で気付く”機会を与えること、これが出来そうで出来ないことでありながら、人材の育成のためには非常に重要なプロセスでもあります。その意味でもあまり良いマネージャではない私としては、育てる対象の人と一緒に、”自らの努力で気付く”作業を繰り返すことしか解が無いような気がします。

特に大企業では、このようなプロセスを軽視する傾向が強く、また結果(のスピードととりあえず完了させたという実績)のみで人を評価することが多いようです。その意味でも気付く機会と、考える力はどんどん衰退していくのではと危惧します。

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