チャートの功罪&可視化の意味
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ビジネス資料では様々なチャートが使われます、グラフもそうですが、システムの世界ではフローチャートに代表される様々な図表化された資料が利用されます。図表の力は偉大で、全体像を捉えるための俯瞰のためには欠かせません。さらに、構成などのように物理的な状態を表現するときには、写真(写実)に替わる最大のツールとなります。
その一方で、図表を使うことで欠落していくこともあります。一つは文書で表現する細かさ、詳細度がどうしても薄れてしまうことです。そしてもう一つは、形の無いものを(例としてプロセス)を表現する際に、実態をそのまま表現できる限界があるため、どうしても表現内容が片手落ちになってしまうことです。
様々な内容や資料を文書で詳細に表現していくことは大変労力がかかりますし、完成度を高めることが難しいものです。しかしだからといって、簡単で労力がかからず、とりあえず見栄えのよいチャートの類のみで表現を終了させてしまうことは、そもそもの目的からすると、低い品質で不十分なものになってしまうと思います。
現在、可視化という流行に引きづられて、形のないものをチャート等で表現することが可視化だと主張して、その方法を積極的に推し進めている例を多く見かけますが、本来の可視化は、1.見えにくいもの(見えないものでなく、物理的な実態があるもの)を見える状態にする、または2.見えないものを理解して正確に把握するためのツールとして見えないものを別の形で部分的に表現するもの、であると思います。
ツールで進む理解や仕事のスピードアップもあれば、その一方でチャートの限界があるということも理解した上で、チャートという便利なツールを活用すべきです。
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