”きつさ”を昇華できるか?
アインシュタインの名言の一つに数えられる相対性を説明した言葉である、
「熱いストーブの上に一分間手を載せてみてください。まるで一時間ぐらいに感じられるでしょう。ところがかわいい女の子と一緒に一時間座っていても、一分間ぐらいにしか感じられない。それが相対性というものです。」
とまったく同じではないのですが、仕事で”きつい”と感じる時の感覚も相対的だと思います。きつい仕事であっても自らのメリットを感じると、きつい時間も短く感じますし、「ここを乗り切れば」というマイルストンも速く過ぎる感じがします。しかし、その一方で”やらされている仕事”であればあるほど、時間が長く感じてしまいます。
”きつい”時間を乗り越えるためには、体力だけでなく気力と集中力を必要としますが、このモチベーションの差が、気力・集中力だけでなく、体力の消耗状態も大きく変えていくと思います。従って、”きつい”時ほど、その”きつさ”の先にあることを意識する、部下に対してはこの”きつさ”で学んで欲しいもの、獲得して欲しいものを明確に提示する必要があります。
物理的に破綻しているものもありますが、殆どの場合”きつい”状況でパフォーマンスや結果を出せない、品質が低下する大きい要因として、この”きつさ”に負けないように、やっている目の前の結果でなく、最終的な個人としての成果を感じさせる状況にしていない、または自ら成果を作り上げることを放棄していることが挙げられます。
逆に考えると”きつさ”の中で、自らのモチベーションを維持する、部下のモチベーションを維持することが、組織のリーダとしての資質であったり、いわゆるトップパフォーマーの大きな特徴であったりするのかも知れません。”きつさ”を単に楽しむだけではちょっと危ない人になってしまいますが、”きつさ”を昇華する技術を持ち合わせているかどうかは、社員を雇ったり、評価するためには重要なファクターなのかもしれません。