職務経歴としての経験は鵜呑みにできない
お仕事の中には、自らが作業するものと、実際の仕事は他の人がするものがあります。特に大きいプロジェクトや部門の中での仕事ですと、仕事に携わるということが、単に打合せに出ているだけ、一部分を担っただけ、管理をしていただけであっても、その仕事に関わったということになります。
新しい人と仕事をする時に、「この人はこんな仕事をしました」、「私はこんな経験をしています」という自他の紹介を受けますが、上記のことを考えるとこの言葉を鵜呑みにはできないと思います。例えば実際には下請けの会社さんがすべての資料を作成し、実際の仕事もしている場合には、例えその場に居合わせて実際に管理などを行い、知識としてどんなことが起こるかということを理解していても、その人が同じ仕事を出来るか、また適性があるかも解りません。
特にこの問題が起こるパターンとしては、大型プロジェクトを例にした経験です。大型プロジェクトでは、経験できる範囲も一部になってしまいますし、かつ協力会社等が実際に行う仕事も多くなります。従って大型プロジェクトを経験しましたという場合には、その中でその人がどのようなロールを担っていたか、何を実際にしたのか(極端な話、コードは何行書いたのか、資料は何枚作成したのかでもよいかもしれません)ということを確認する必要があると思います。
また、経験に関しては裏づけが必要だと思います。コンサルティングに限らず、重要案件ではお客さまの面接だけでなく、過去のお客さまへの人物照会をされることがよくあります。言葉の上での経験と、実際の能力はこのくらいの確認まで行わないと把握できないものだと思います(プロジェクトで、能力的に難有りとした人が、別の場所で「あそこで、こんなことをして中心的に動かしていました」という発言をしていることもあり、確認のお電話をいただいたりしたことも実際あります)。
一番大事なことは、「xxxをしました」ということはあまり信じず、実際に仕事をする、または仕事で一緒になった人の意見を聞くことが重要だと思います。