「習う」より「慣れて」、そして「自ら生み出す」
「習うより慣れろ」とはよく言いますが、”仮説思考”や”ポートフォリオ”などに代表される俗にコンサルティング手法と呼ばれるメソッドやフレームワークにも同じことが言えると思います。そういう私も、コンサルティング会社に入る前は本でしか勉強したことがありませんでしたし、コンサルティング会社に在籍していたときは、どちらかというと形から入るメソッドやフレームワークに関して否定的に接していました。
しかし、実際に仕事で、分析を行うとき、全体の論旨を整理するとき、さらには結果を上手く表現するときなど、様々な場面でいわゆる、”手法”や”方法論”を使うことで、「結構便利じゃない!!」と感じ始めました。しかし、はじめは良いのですが、そのうちメソッドやフレームワークの普通の使い方や通りいっぺんの分析では太刀打ちできないような事象に直面すると、どうしたものかと悩みました。特に今は小規模な事業で、かつ無理難題を持ち込まれることもありますので、どうしても壁に行き当たります。
そんなときに、過去に吸収した手法や方法論をベースに、新しいものを作り出す努力が必要になります。まだまだ、本になるほど体系だったものにはなりませんが、既存のフレームワークやメソッドに、実際に直面した事象や経験をもとに一味加えることで、また新しい方法論などを生み出していけます(改善や適用のバリエーションに近いものもありますが)。
このように、コンサルティングの技法はまず「習う」より「慣れろ」であり、慣れたら「自ら生み出せ(改善しろ)」というステップによって、初めて体得できるものだと思います。巷に「戦略本」や「方法論」の本は沢山出版されていますが、戦略論の本は沢山読んでも、結果としてはあまり変わらず、それよりもまずやってみて習得し、考えて体得することが最大限に活用するための近道だと思います。
メソッドもフレームワークも考えるためのガイドであって、答えや答えを生み出す魔法の小槌ではないのですから。