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とりあえず謝っておけばという考え

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マッドアマノさんのサイトである「マッドアマノのパロディータイムズ」を覗いてみると、「天下り新聞・再発売」ということで、タブロイド版1回限りの風刺の出版物を出すとの告知がありました。その、告知が面白く、バナーに「とりあえず謝っておけば、あとはどーにかなるさ・・・」という言葉がかかれ、その下でよく見る記者会見での謝罪シーンがあり、社会保険庁のプレートの前で頭を下げる安倍首相をはじめ何人かの人が謝罪をしている姿があります。モザイクがけをしてありますが、ミートホープとグッドウィルのお二方ですね。

まだ、天下り新聞は入手していませんが、バナーに書かれていた「とりあえず謝っておけば、あとはどーにかなるさ・・・」という言葉は、社会を騒がせている事件に関係する人々だけでなく、普通のビジネスでも当てはまると思います。

相手との状況において、本来謝らないといけない場面でも謝らない状態に比べると、とりあえず謝るということのほうがよさげに見えますが、実際には「とりあえず謝っておけば、あとはどーにかなるさ・・・」というその場しのぎの対応のほうが悪質だと思います。謝るべきかどうかはっきり解らないので謝らないということは、明けてみたら謝る必要があった場合に対応が悪いと非難されるリスクがありますので、危機管理的な考えでは「とりあえず謝る」という選択肢を取らざるをえませんし、マスコミの極端な対応(証拠が不完全でも言葉で悪者をしたてていく対応)に対抗するためにも、事実に対する謝罪は最小限必要になります。

しかし、一番多いケースは、悪いとは思っていない、責任は自分にないと思っている、修正する、対応する気持ちが無いにも関わらず「とりあえず謝っておけば、あとはどーにかなるさ・・・」と言う考えで謝罪をする姿勢だと思います。これが実は一番危ない兆候で、無責任社会を助長させる原因だと思います。謝ること、謝りかたはスキルですが、謝まる根底にある気持ち、謝った後に対応をとる責任感は、スキルだけでなく人格だと思います。

とりあえず、すみませんと言って流した人の、人間としての本質を見通すためには、やはりその後の対応を含めて見切る必要があると思います。繰り返しになりますが、社会的事件もそうですが、身の回りのビジネスも同じです。

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