単なる指示出しから、アプローチのデザインへ
プロジェクトや組織を率いるときに陥りがちな傾向として、様々な管理作業に忙殺され、諸々の問題の細部まで確認できなくなり、結果として管理をしているというよりも単に報告を受けるだけという状況になることがあります。この場合の対応で、マネジャーとしてのレベルがいくつかに分かれます。
- 単に担当者や期日を設定するだけ
- 期日・担当アサインにプラスして結論付け、意思決定は行う
- 上記にプラスして簡単なアプローチ、次回の報告のクライテリア、タイミングを設定する
といったところが大きい意味での対応方法ではないかと思います(細かく見ますとその中でも様々なレベルがあります)。
総じて組織的に(組織としての力だけで)動く企業、そして官僚的な企業においては、担当者のアサインと期日設定、または細部がわからないまま結論付けだけを行う傾向が強いと思います。仕事の内容の責任は部下が取り、指示だけを出す、と言った対応だと思います。
その一方で、非常に個人の力量を重視する文化では、アプローチや次回の報告等に関する指示を含め、細かい(というよりも管理上最小限伝えなくてはいけない)指示を提示します。個人の力量に任せる部分は、当然ありますが、基本的な指示、すなわちリスクを回避するための策は打っておきます。
本来あるべき姿勢としては、管理職として結果責任を自ら負うためには、きちんと状況理解をする必要があります。その上で、具体的な指示、担当者のアサイン、そして作業進捗の管理など、最小限自らの仕事のデザインを伝える必要があります。その意味でも、最小限作業アプローチと管理基準を伝える必要があると思います。
難しい部分としては、チームメンバーが意図することを先んじて理解するようになると、その具体的指示をしなくても、4-50%の内容説明でこちらの意図を理解して動かれてしまうことです。そのような状況ではマネジャーも甘えが出て、説明を中途半端になってしまいます。明らかに、ポジションを上に上げるとき以外では、きちんとした説明を行い作業に着手させる必要があるのですが、やはりマネジャーとしても甘えが出てきます。
どちらにしても、プロジェクトはもちろんのこと、組織社会でも個人の力が重要視されています。そのため、管理者も、ただ単に担当者を決め期日を決めるだけでなく、具体的に何をどのように進めていくかという自分の仕事の進め方の設計を明確にし、それを確実にスタッフに伝えていくことが必要になると感じます