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暴論の正論

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営業関係のセミナーで講師をするために、最近出ている営業関係の本を綿密にチェックしています。その中で、藤本氏の書かれた「御社の営業がダメな理由」に目を通しました。

この本での首尾一貫した主張は、営業力は、個人の技術力(営業能力)ではなく、営業管理技術に負うものが多いということです。例えばの例で、スーパー営業を獲得できれば、組織として営業能力を高めることができるかどうかと言う疑問を投げかけています。

その中で強烈な主張は、「人材は育成できない」という主張です。言葉の誤解も生じるとは思いますが、社会に出て育成することで根本的な能力レベルが変わることは無い、という主張を展開されています。この主張は一見暴論に見えるのですが、中味をきちんと解釈していくと決して暴論ではありません(その論理的な整理に時間がかかりますが…)。言葉が強烈な部分で、誤解や拒絶反応を示すかも知れませんが、内容をきちんと理解して自分なりに解釈が必要な言葉だと思います。

正論に見える虚論としてWEB2.0などのセンセーショナルに見えて本質的に何も変わらない内容の主張があると思いますが、その一方で暴論に近い感じであっても実は突き詰めると正論になるものがあります。数々の主張の中から暴論に見える正論を探し当てるためにも、さらに客観的に物事を見る力を養う必要性を感じました。

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