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戦略、プロモ、広報など実務から見たマーケティングをお話します

会社の顔を作る スポークスマンのあるべき姿

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私の会社はIT企業を中心に経営・マーケティング戦略周りのことをお手伝いすることが主業務です。しかし、広報やプロモーションなどその周辺のことも必然的にお手伝いをしていて、かなりのお客さまと接します。特に中小(というよりかは、最大手でない)のSI企業、ソフトウェア・パッケージ会社、ハードウェアメーカが主流となっています。

広報やプロモーションなどいろいろなお手伝いをさせていただく中で、「お客さまの会社の色を濃くしていく」努力をしますが、一方で様々な課題にぶつかります。

まず、”会社を代表して外部に対して意見や主張を発信する人が足りない”お客さまが多いことです。通常は社長等の代表者が、会社の考えや方向性を説明しますが、外部に対応する人物が常に社長一人でいいかと言うと、そうではありません。会社がメッセージを発信するときには、内容によって何段階かのステップ、または担当領域を持った人が必要となります。何十人もは必要ではないですが、せめて経営のことと技術のことは分けるべきではと感じるシーンが多いことも事実です。立場が違う人を複数人用意することで、伝えたい内容が明確になるケースが多いです。

小さい会社さんで、「現場の仕事もあるのに、そんな何人も広報対応なんてしてられないよ」とおっしゃる方も多いです。しかし、小さい会社だからこそ、全員がスポークスマンとして、意見を発信していく仕組みを作る必要があります。

また、お客さまの会社にとって重要なお話でも、雑誌や新聞の方々にとっては「たくさんの中の一つのニュース(情報)」です。同時に、専門的な用語や、当たり前のように思っていることが、マスコミの方々にとってはそうでもないことがあります。そんなときに、「お話する内容を平易な言葉で簡潔に伝える技術」が重要になります。特に、会社の経営者が自社製品を説明するときには、解り難い言葉が連発される傾向が強く現れます。

私の経験からは、非常に技術オリエンティッドの人ほど、平易に誰でも理解できる言葉でお話をされるケースが多いと思います(あるレベルを超えるとそうなるのでしょうか…)。そんな状態ではないときには、意識して平易に伝えるための準備をする必要があると思います。

以上のようなことを考えると、小さな会社であっても、会社の意見や考え(時には製品ですね)を外部に正確に伝えるためにも、

  • 数人が会社の顔になる
  • それぞれの人が担当領域を分ける
  • 特に、製品や技術など自社製品に関しては、平易な言葉で語れるように準備をする

と言ったことが必要だと思います。

まず経営者が顔となったら、即座に次の顔を作りましょう。そうすることで社外に対しての役割が明確になりますし、会社としての情報発信に関して、もっと能動的に動けるようになります。

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