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無免許のマネジャー 管理職の資格ができる?

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日経ビジネス11月16日号の特集「管理職が壊れる」の中に、

増える”無免許”管理職

という面白い表現がありました。花王が管理職のレベル低下に関して、管理職の能力開発を自己責任にしていたことに対して、研修を復活する必要が生じている現状を表現している言葉です。

私も伸び盛りで急拡大していたサーバメーカ、そしてコンサルティング・ファームに移った時に感じたことなのですが、実業務としての仕事が出来ることと、管理職としての能力が備わることは別次元だと思います。特に、コンサルティング・ファームでは若くしてマネジャーとなり、ある部分(プロジェクトですが)人を管理することになりますが、その場合に実務だけでなく仕事に対する考え方、会社の方針を理解して伝える力、人を育てたり教育したりケアする力が明らかに備わっていない人を多く見かけました。

年齢のせいではないと思いますが、組織を動かすと言う意味で、マネジャーとして管理を行うためには、組織管理・人事管理に関して(OJTも含め)ある程度トレーニングを受ける必要があると思います。

ITの技術者や広報、そして今ではマーケティングでも資格というものがあります。資格が無くても仕事をすることは出来るのですが、品質か能力を保証する意味で資格制度が成立しています。それは反面で、能力・知識が無い人が仕事に携わるリスクを排除するためのものでもあると思います。

組織の中の管理職に関しても、これからどんどん局所化した特殊技能になると、公的資格とかが出来るかもしれませんね。あまり効きそうに無い資格ですが…

思うに、弁護士や医師のように、そもそも資格を獲得しない限りなれない商売以外では、資格は重要ですが、先に挙げたIT技術者、広報、その他必須でない資格は、沢山の人が同様の仕事に携わり、劣悪な仕事をする人が増えた結果の社会的な予防策ではないでしょうか(それよりも、そこに目をつけた人の集金マシーンかもしれませんが)。そういう資格が本来必要ない状態が望ましいのです。

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