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成長は惰性を産み、人材はスポイルされる

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企業には成長の過程があります。始めは暗中模索でも、能力のある会社は徐々に力をつけていき、その結果シェアを大きくしていきます。ここまでは、一般的な成長シナリオであり、特段社会正義に反していなければ、周囲も含めた社会全般に好意的な目で見られます。

しかし、力がつくことで、そしてシェアが大きくなることで、会社としての組織サイズは大きくなります。その結果、経営陣と中間層に惰性が生じることが常です。不思議なことに、採用した人材の学歴や能力ではなく、会社全体の構造として、企業の責任脳能力特に中間層の能力が落ちてしまう結果になります。惰性と言う言葉が適切化どうかわかりませんが、大手企業が必ず陥る状況だと思います。

カリスマ創業者や高いリーダシップ能力を持つ経営者がいる場合には、強いリーダの元で様々な手を打つことで、危機を脱するか、そもそも危機に陥りません。しかし。これは例外であり、大企業の名を借りた個人企業のなせる業かもしれません。

多くの企業では、経営陣、中間層の惰性感、つまり「この程度で」、または「自分が敢えてここでアクションを取らなくても」という保守的な考えが企業の活力をそいでいきます。その結果は、危機的状況を迎えた会社の例でわかると思います。

残念なことは、そこで若手や能力のある人材をスポイルしてしまっていることです。アメリカ的な考え方には迎合できませんが、企業に在籍することでスポイルされる人材が多いことは、日本企業として決して適策だとは思えません。

数少ない、「惰性」に流されない人財、そんな貴重な競合力をつぶさないで育てていって欲しいと思います。

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