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旬を過ぎ、良き製品が残る ーデータ・ウェアハウスを回顧してー

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IBMからサン・マイクロシステムズへ転職した時の最初の仕事は、今で言う”ソリューション・マーケティング”で、私の担当分野は「データ・ウェアハウス」でした。当時はUNIXがサーバとしての地位を確固たるものにした時代であり、UNIXサーバの市場への浸透度が急激に成長している時代でした。”生粋のメインフレーマー(?)”であった私としては、「何でこんなものが売れてしまうんだろう」、「UNIXも結構いいね」という2つの相反する感覚と、「自社製品だからもっと売れるような仕組みを作らなければ」という仕事上の責任感の元で、まだまだ駆け出し時期だったUNIXサーバのプロモーションを行っていました。

ちょうど、旬であった「データ・ウェアハウス」は、各社がデータベース(及びETLツールなどのデータベース関連製品)と分析用のツールを次々に発表し、様々な形での「データの蓄積と再利用」を実現する技術的な可能性を広げていっていました。私はアライアンス上手かつ間接販売のみであったサン・マイクロシステムズで、様々なSI、ソフトウェアベンダの方々とお仕事をしましたが、今でもその頃の人脈が活きている程、多くの会社(の方々)がこの領域に参入していました。

「データ・ウェアハウス」は、言わば情報系システムであり、技術的革新は生まれていましたが、使用する側からみた場合、特に経営・マーケティングからは、さほど革新的な効果を産むものではありませんでした。したがって、数年の市場ペネトレーションの時期を経て、CRM等の経営・マーケティングなどの使途効果に重点をおいたソリューションに主軸を移し、ソリューション・マーケットの一主役から静かに退いた状態となり、今に至っています。

簡単に言いますと、流行った「データ・ウェアハウス」云々は、技術論であり、”技術を中心とした内容を解りやすく伝えるために、活用方法がついてきていた”という状況でした。その結果、雨後の筍のように様々な製品が出てきましたが、(ITとしては)長い淘汰の時期を経て、多くの製品は無くなったり、他の製品に吸収されたりしてきました。

最近、再び残った製品を簡単に調査・評価をしてみましたが、やはり残った製品には、「市場が要求しているもののエッセンス」、「隣接製品を含む他の製品とのポジションの違い」、さらには「上手な機能配置と他社を含む補完製品との機能連携」などが共通の必要要素としてあります。ちなみにこの傾向は同様の成熟ソリューションにも観察されます。

旬の最中での技術開発競争と製品増加により、拡散した製品マップは、成熟(衰退)していく市場の中で集約されていき、一部の非常にハイレベルで完成されたポジショニングが可能な機能群を持った製品のみが生き残る。データ・ウェアハウスを再度見返してみて、そのように感じました。

まだまだ続くように見える、今流行りのソリューションも、そろそろ集約の時期に差し掛かっているのではと思います。

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